三菱電機は5月19日、4月に執行役社長に就任した柵山正樹氏出席のもと、2014年の経営方針説明会を実施した。創業100周年を迎える2020年度までに連結売上高5兆円以上、営業利益率8%以上を目指す。
冒頭柵山氏は社会、顧客、株主、従業員から事業を通じて信頼され、それぞれの満足を生み出す企業を目指す「4つの満足」、「バランス経営の継続と持続的成長のさらなる追求」、「変革への挑戦」を実施し、「グローバル環境先進企業」というの基本方針を掲げた。
三菱電機では、前期まで、売上高4兆円への回帰を目標に据えていたが、2013年度は売上高4兆543億円、営業利益2351億円となり、その目標を達成。さらに海外売上高比率も38.8%となり、目標値である40%をほぼ達成出来る状況にまで達しているという。
柵山氏は「2001年のITバブル崩壊とともにバランス経営を目標として取り組んできた。2001年度は売上高3兆6489億円、営業損失680億円の赤字となり、借入金比率も38.3%にまで到達した。このあと、携帯電話事業の終息などを経て、2007年には売上高4兆498億円、営業利益2640億円を達成。当社の営業利益過去最高を記録したものの、その後、リーマンショックなどの浮き沈みを繰り返し、2013年度に再び売上高4兆円を超過できた」と振り返った。
2013年度の営業利益率は5.8%、ROEは10.9%、借入金比率は10.3%。これを受け2014年度は売上高4兆1800億円、営業利益2500億円、営業利益率6.0%とし、売上高は過去最高水準に挑戦するという。
「三菱電機では2020年度に創業100周年を迎える。それまでに達成すべき成長目標として連結売上高5兆円以上、営業利益率8%以上を目指す。バランス経営は継続し、引き続きROE10%以上、借入金比率15%以下を経営指標としている」と、さらに高いレベルの成長につなげることを発表した。
同社が成長戦略を牽引する事業として挙げたのは「電力システム」「交通システム」「ビルシステム」「FAシステム」「自動車機器」「空調システム」「パワーデバイス」「宇宙システム」の8事業。「三菱電機グループの強みは技術資産。運動、熱、流体、電力などの制御技術が非常に高いこと。加えてそれを支える要素技術も確立されているからだと考えている。もう1つの強みは強い事業基盤。社外との連携も含めてこの部分をさらに強化しながら技術シナジー、事業シナジーをいかした成長戦略を実行していきたい」と話す。
「強い事業をより強く、新たな強い事業の継続的な創出、強い事業を核としたソリューション事業の強化、事業の継続的な新陳代謝を実施していきたい」と今後の取り組みについて示した。
三菱電機では、プロジェクタなど家電事業からの撤退が相次いだ。家電事業の今後について問われると「家電事業の大きな柱は空調・冷熱領域。ここは環境、省エネが大きな差別化要因。この部分の技術開発をしっかりとやっていきたい。一方AV機器については、液晶テレビの技術は、業務用のオーロラビジョンなどにも活用していく。これからもこうしたテクノロジドライバとしてやっていく」とした。
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