クラウド会計「freee」が給与計算ソフトを公開--給与・勤怠事務を軽減

 クラウド会計ソフト「freee(フリー)」を提供するfreeeは5月19日、「クラウド給与計算ソフト freee」のベータ版を公開した。給与額や税金、社会保険料などがワンクリックで計算できる。利用料金は、従業員3人分までの給与計算が可能な基本プランが月額1980円で、従業員を1人追加するごとに月額300円がかかる。無料のお試しプランも用意されている。

 クラウド会計ソフトのfreeeは、あらかじめ銀行やクレジットカードのアカウント情報を登録しておくことで、入出金の情報を自動で記帳し、勘定科目の付与、仕訳までできるサービス。記帳した情報をもとに、出納帳や仕訳帳、総勘定元帳、決算書などの出力もできる。4月には消費税率8%にも対応した。

 新たに公開された給与計算ソフトでは、自動で給与額の計算から、給与明細の発行と配布、社会保険や年金などの支払に関する書類などを1クリックで作成できるようになる。クラウド会計ソフトのfreeeとも連携しており、これらの給与に関するデータは自動で会計データとして登録されるという。今後は従業員自身が勤怠情報を入力できる機能や、給与明細をPCやスマートフォンから閲覧できる機能を追加する予定だ。

  • 給与計算機能のホーム画面

  • 給与明細の画面

  • 給与計算ソフトのイメージ

 マクロミルの調査によれば、8割以上の中小企業が給与事務を自社で行っており、そのうちの半数は社長や役員が兼務しているという。また、従業員1人あたりの給与計算に平均28分もかかっているそうだ。freeeの代表取締役である佐々木大輔氏は「経営者にとって一番大切な時間が奪われてしまうのは大きな問題」と指摘し、給与計算ソフトによってこうした毎月の煩わしい作業を自動化できるようになると説明する。

バックオフィスの“自動化”を加速

 2013年3月に公開されたfreeeは現在までに約7万の中小企業に導入されているという。当初は口コミによってユーザーを増やしてきたが、最近は機能追加や、消費税増税、Windows XPのサポート終了にともなうPCの買い替えなどによって、パッケージソフトからfreeeへと移行するユーザーも増加傾向にあるそうだ。

  • freee代表取締役の佐々木大輔氏

 3月にはクレジットカード決済に対応したPOSレジアプリ「Square レジ」と連携。Square レジに記録された売上データを、すべて自動でfreeeに会計データとして取り込めるようになった。さらに4月には、DCMとインフィニティ・ベンチャーズの関連ファンドから総額8億円を調達。開発チームを拡充し、プロダクト開発やカスタマーサポート、マーケティング活動などの拡大に充てるとしている。

 佐々木氏は、レジ連携や請求書管理、銀行やカードとの連携、スマホでのレシートの読み取りなど、ビジネス取引に必要な主要機能をfreeeで網羅的にサポートできるようになってきたと語る。「経理や会計を意識しない、新しいバックオフィスの形が完成しつつある」(佐々木氏)。今後は給与計算に加えて経費精算機能も提供することで、“バックオフィスの自動化”をさらに加速させたいとしている。

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