リクルートライフスタイルは3月19日、無料POSレジアプリ「Air レジ」が全自動のクラウド会計ソフト「freee」と連携したことを発表した。Air レジを導入する店舗は、これまで手入力していた売上データを自動で取り込めるようになる。
Air レジは、小売業や飲食業などのレジ業務をiPhoneやAndroidスマートフォン、iPadなどで処理できる無料のクラウドレジアプリで、商品登録機能や会計入力機能、売上集計機能などを利用できる。レジで受けた情報はリアルタイムにクラウドサーバに連携され、売上額など店舗の状況をPCやスマートフォンからすぐに確認できるほか、レシート印刷機能やキャッシャー連携機能も搭載している。
一方のfreeeは、個人事業主や中小企業向けのクラウド会計ソフトで、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、記帳を自動化してくれる。簿記の知識などがなくても簡単に利用できるのが特長だ。基本機能を利用できる無料プランのほか、青色申告や会社法に準拠した決算書を作れる有料プランも提供している。2013年3月19日のリリースから約1年で約6万を超える事業者に利用されており、「3月末には7万事業者を見込んでいる」(freee代表取締役社長の佐々木大輔氏)という。
店舗ではこれまで、レジに売上データが入っていても、日々のレジ締め作業でそれらを印刷して会計ソフトに手入力する必要があった。今回、Air レジとfreeeが連携したことで、Air レジで集計した売上データが、1日1回freeeに自動で取り込まれ、複式簿記の仕訳として反映されるという。また、クレジットカードやリクルートポイントでの支払いも区別できる。さらに、簡単な操作で決算書や申告書を作ることも可能だ。
リクルートライフスタイル代表取締役社長の北村吉弘氏によれば、2013年11月のサービス開始から約4カ月でAir レジの登録アカウント数は3万5000にのぼるという。Air レジではこれまで、グルメ情報サイト「ホットペッパーグルメ」などのメディアやリクルートポイントと連携した店舗への送客、またモバイル決済サービス「Square」との連携など、“来店者と店舗間のやり取りの最適化”に注力してきた。
この一方で、閉店後のレジ締めや伝票入力、月末の会計処理など、店舗にとっての本業以外の煩わしい作業をいかに効率化できるかが課題だったと説明。freeeとの連携によって、顧客対応といったフロントだけでなくバックオフィスの仕組みも変えられると北村氏は話す。
「小さなお店の店長さんは自分の休みを削って月次の締めをしていたり、365日休みがないことも多い。(freeeとの連携によって)少なくとも週に1日は休んでほしい。私たちは効率化によって、顧客とお店の会話を増やしたいと思っているが、お店の方々が適切に休みをとりながら経営できる体制をどう整えるかも考えてきた」(北村氏)。
ところで、リクルートライフスタイルは3月5日にSquareとの提携を発表して記者会見を開いたばかりだ。3月に入り立て続けに提携を発表した狙いについて、北村氏は「4月の新年度に切り替わるタイミングで導入店舗を一気に増やしたい」と明かす。また、他社サービスとの連携については「基本的にはオープン」と考えており、今後も条件があえば積極的に提携していきたいとした。
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