北海道警察本部サイバー犯罪対策課および北海道手稲警察署は5月8日、ドワンゴ・ユーザーエンタテイメント(due)と日本音楽著作権協会(JASRAC)が著作権を管理する楽曲の音楽ファイルを、不特定多数の者にダウンロードさせていたサイト「にこ☆さうんど♯」運営者である29歳の男性を、著作権法違反(公衆送信権および送信可能化権侵害)の疑いで逮捕したことを発表した。
このサイトでは、ニコニコ動画に公開されている動画をMP3ファイルに変換してダウンロード、ならびにストリーム配信を行っていたもの。専用のアプリケーションなどをインストールすることなく、ニコニコ動画の動画掲載ページURLを入力するだけで容易に変換・ダウンロードすることが可能となっていた。1日あたり約1500件のファイル変換が行われるなど、大規模な違法配信が行われていたとされている。
ユーザに無料で本件サイトを利用させていたものの、このサイトに掲載していた大手広告サービスを通じ、運営者はこれまでに約1億3000万円もの収益を得ていたことが警察の捜査によって確認されているという。
dueとJASRACによると、第三者サイトに公開されているコンテンツを、リンクやダウンロードなどの方法で入手し、自身のサイト上で公開や誘導している、俗に“寄生型サイト”と呼ばれるサイトが違法音楽配信に関して、サイト運営者が著作権法違反の疑いで逮捕されるのは、今回が初めてとしている。寄生型サイトは主に広告収益を目的として開設され、違法サイトに広告が掲載されることにより、当該サイトに多額な広告収益をもたらす結果となることが、問題となっている。
dueとJASRACは「今回の事件が違法配信に対する大きな警鐘となり、適正な音楽配信ビジネスの発展につながることを期待しています」とコメントしている。
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