「iOS 7」の最新バージョンに含まれているAppleの「Mail」アプリが、電子メールの添付ファイルを暗号化しておらず、攻撃者の標的となりやすい状態になっていると、セキュリティ研究者が警告している。
セキュリティ研究者のAndreas Kurtz氏は、iOS 7.0.4、7.1、7.1.1のモバイルMailアプリの添付ファイルが、Appleのデータ保護メカニズムによって十分に保護されていないことを数週間前に発見したとブログの投稿で述べた。
iOS 7の最新バージョンを搭載する「iPhone 4」を使って、暗号化なしのテスト用電子メールの添付ファイルを見つけることができるとKurtz氏は書いている。同氏は、iOS 7.0.4を搭載する「iPhone 5s」と「iPad 2」 でも同じ結果を再現することができるとしている。Kurtz氏は、デバイスをコンピュータにつなぐことによってどのような状態からでもデバイスを復元できるデバイスのファームウェアアップグレードモードを含む「良く知られた技術」を使ってデバイスのファイルシステムにアクセスできると記した。
Kurtz氏は、この問題が、Appleのデータ保護機能によって「メールのメッセージや添付書類、他社製アプリケーションをさらに厳重に保護することができる」という同社の公約と矛盾していると記した。
同氏は、この問題についてAppleに連絡したところ、既知の問題であると伝えられたが、修正が配布される予定時期については知らされなかったと書いている。
一方で、他のセキュリティ研究者らは米国時間5月5日、脆弱性の範囲は限定的であることを示唆した。Adam Engst氏とRichard Mogull氏は、攻撃者がこの脆弱性を利用するには端末を物理的に保有している必要があるだろうと述べた。攻撃者はまた、ユーザーのパスコードを持っている必要がある、あるいはパスコードなしで機能する脱獄が必要である可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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