シングルボードコンピュータの「Raspberry Pi」は自作PC愛好家たちの大のお気に入りだ。しかし、2012年に発売され、700MHzの「ARM11」プロセッサ、512MバイトのRAMを搭載する35ドルのRaspberry Piは、最近では少々野暮ったく見えるようになってきた。そこでこのほど、Lemaker.orgから発売されたのが、より高速の「Banana Pi」だ。
技術的な詳細に入る前に、このBanana Piが、形式や仕様、形状においてRaspberry Piの正式な後継機種ではないことを知っておいてほしい。これは、ある中国の教育機関が開発した、Raspberry Piのクローンである。とはいえ、24ピンのピンヘッダを備えたBanana Piは、Raspberry Piのアドオンモジュールとの機械的、電気的な互換性をもつように設計されている。
このクレジットカード大の新たなSBCは、送料抜きの価格が50ドルだ。これは、モデルとしている35ドルの「Raspberry Pi Model B」と比べ、かなり高い。一方のBanana Piは、「Cortex-A7」をベースとした1GHz駆動のデュアルコアSoC(System On Chip)である「Allwinner A20」を搭載する。こちらも、Raspberry Piに採用されている700MHzの「ARM11」をベースとしたBroadcomの「BCM2835」プロセッサと比べるとずっと高速だ。
Banana Piはまた、1GバイトのRAMと最大1Gbpsのイーサネットを内蔵する。これは、Raspberry Piの10倍の速さだ。今回発表された新しいSBCには、SATAポートとMicro USBポートも備える。さらに、サイズは92×60mmで、Raspberry Pi(85×56mm)より少し大きい。
理論上は、Raspberry Piで動作可能なソフトウェアならすべて、Banana Piでも実行できるはずだ。実際のところ、開発元のLemakerでは、このSBCで「Android 4.4」「Ubuntu」「Debian」「Raspberry Pi Image」「Cubieboard Image」が動作可能としか述べていない。OSに加えて、Lemakerが動作すると主張している唯一のアプリケーションが、MITが開発した教育用プログラミング言語「Scratch」だ。
今回は、ほとんど無名の団体が開発したまったく新しい製品であり、したがって、これが一時的な成功に終わるのか、あるいは長期的なプロジェクトとなるのかどうか判断が難しい。Lemakerでは、クイックスタートガイドとして役に立つと思われる情報や、オンラインフォーラムを提供している。筆者は、サポート体制も価格も、試してみるには十分だと思う。ぜひ楽しんでほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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