4月26日と27日に幕張メッセで開催されている巨大イベント「ニコニコ超会議3」の「超ボーカロイド感謝祭」の一角では「超ボカロキャラ握手会」が行われている。
これはVRシステム「OculusRift」と3次元感触インタフェース「Novint Falcon」を使った「Miku Miku Akushu」によって、ボーカロイドキャラクタと握手できる装置となっている。
握手は初音ミクのほか、GUMIやIAともできる。あらかじめ選択してOculusRiftを頭にかぶったら握手会がスタートする。目の前には初音ミクの姿が映し出され手を差し出している。小柄なのかこちらからはやや下向きに見る形で、少し上目遣いな感じでこっちを見てほほえみかける初音ミク……いや“ミクさん”がすごくかわいい。握手も、身もふたもない言い方をすると、あくまで装置にすぎないのだが、あまり力強く握らないという注意事項があるがゆえ、やさしく触るような感じだとかえってリアリティが増す。
これはすごいと思いながらただぼーっと握手していると、係の人からもう少し上下に動かしていいと促される。適度に上下に動かすと、その動きにあわせてミクさんも動く。飛び跳ねるという感じではないが、すごく喜んで笑顔になってくれる。ただ、嬉しくなってつい手をこちらに引っ張ると、手を離してミクさんが困った表情を浮かべる。良くないと思いつつも、いろいろな表情を見てみたくなってしまう。
実際には360度の映像が用意されているため、後ろ側の景色も見ることができる。しかし背景には誰もいない。つまり、ミクさんと二人きりということを確認する手段でしかない。そう思ってしまった時点でMiku Miku Akushuの世界観に没頭してしまっている証拠だ。
細かいところを言えば、自分の手が映し出されずミクさんが手を差し出しているだけの映像だけなので、そこに違和感を感じなくもないが、手元を見るよりも顔を見ている時間が圧倒的に長いため、そこにツッコミを入れるのはやぼなことかな思う。何よりも視覚だけではなく、握手するという触覚によって存在感が圧倒的に増している。これで握手だけではなく、頭をなでて喜んだ表情を映し出す装置ができたとしたら……と、一歩先を行く妄想をしてしまうほど魅力的に感じ、次元の向こう側を予感させるバーチャル体験となっていた。
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