ナビゲーションソフトウェアプロバイダーのNNGは4月10日、2014年中に日本オフィスを構え、日本市場に本格参入すると発表した。すでに日本向けの機能を搭載したナビゲーションソフトの開発を進めている。
NNGはハンガリーに拠点を置くナビゲーションソフトウェア会社。ハンガリーの本社に加え、全世界8支社を有し、総従業員数は600名を超える。現在、ビジネスを展開しているのは168カ国。すでに2000万台以上の出荷実績を持ち、2013年の純正カーナビゲーションのシェアは26%になる。
NNGのCEOであるPeter Balogh(ピーター・バロフ)氏は「今まで欧米を中心にビジネスを展開してきたが、次に重要となるアジア、日本においてどう足場を確保すればよいのか模索していた。2006年以来、日本のパートナー企業とも良好な関係を結んでおり、さらなる展開を図るために日本オフィスを設立したいと考えた」と日本市場の重要性を説明した。
同社が提供するのは、ナビゲーション用ソフトウェアのコアと呼ばれる部分。国やメーカーごとの仕様に合わせ、カスタマイズしやすいことが特長で、優れた柔軟性を持つ。「ナビゲーションは国ごとに特徴があり、100カ国以上でビジネスを展開している我々には、いろいろなフィーチャーが求められている。各国のニーズを集積していることがNNGの大きな優位性だと思っている」(バロフ氏)と強調した。
日本は、重層化した道路、都市の中に数多く存在するトンネル、道路や建物の密度の高さなど、特異性を数多く持つ。それに対しNNGでは、VICS交通情報や、高低差の認識やトンネル内での表示、多言語表示機能など24種類の日本向け機能を実装。さらに今後1年で25の新機能を追加する予定だ。また、交差点に近づくと自然にナビゲーションがズームするスマートズームなども備えるという。
現在日本のカーナビメーカー2社がNNGのナビゲーションを採用しており、2014~2015年にかけて、4つのプロジェクトが進行中とのこと。日本の顧客である富士通テンからは優れた製品を開発し市場投入に尽力したサプライヤーに贈られる「2013年度サプライヤー・アワード」を授与されている。NNGのディレクター OEM リレーションズとして日本オフィスのヘッドを務める池田平輔氏は「製品開発力と供給へのサポートが一定の評価をいただいたものと確信している」と感想を話した。
「NNGの製品は基本的に『ホワイトレーベル』として提供しているため、製品化されたナビにはブランド名が表記されておらず、エンドユーザーから見える部分に一切主張がない。これはナビゲーションだけでなく、地図のアップデート情報や渋滞情報などを取得できるポータルサイトにおいても同様で、各メーカーごとに完全にカスタマイズが可能だ」(池田氏)と柔軟性の高さを力説した。
同社では2014年中に愛知県名古屋市に日本オフィスを設立する予定。日本向けの新製品を開発し、2015年までに日本市場でシェア10%獲得を目指す。
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