欧州はついに、強力な友人である米国ですら実現できなかったことを成し遂げた。
欧州議会の議員らはブリュッセルで現地時間4月3日、28カ国が加盟する欧州連合(EU)におけるインターネットおよびモバイル関連法の全面的改革に関する投票を行った。投票結果を受けて、コンテンツやプロバイダーに関係なくすべてのインターネットトラフィックを平等に扱うことにより、エンドユーザーも企業も、これまでより公平な扱いが受けられるようになる。
つまり、高帯域通信に掛かる費用を理由に、インターネットプロバイダーがNetflixのコンテンツをストリーミング視聴しているユーザーの通信速度を低下させたり、音声通話やテキストメッセージによる売り上げが減少するという理由で、携帯通信事業者が「Skype」へのアクセスを遮断したりできないということだ。
この法案は、携帯電話ネットワークと固定電話ネットワークを区別しないため、欧州の携帯通信事業者がデータ通信の利用急増に対応するために投資支出を引き上げつつある現在、固定電話ユーザーも携帯電話ユーザーも恩恵を受けることになる。
この一括法案には、ネットの中立性を定義し確保する修正案も含まれている。
欧州議会の貿易委員会が最初に可決した法案にある「専門サービス」に関する文言の一部は、今回の法律から除外される可能性もあるが、欧州議会では、その広範で曖昧な定義に立腹する向きがあった。インターネットプロバイダーが、ネット中立性に関する規則の恩恵を受けると見られるNetflixやGoogleなどの動画ストリーミングサービスを「専門サービス」に分類して、こうしたサービスが得る利益の一部を事実上なくすことができるのを懸念したのだ。
EUのデジタル政策担当委員を務めるNeelie Kroes氏は、投票後の発言で、「今回の投票は、市民に向けたEUからの姿勢表明だ」と述べている。
「欧州市民がどこにいてもオープンでシームレスな通信を楽しめるように、ローミングという非常に目立つ障壁だけにとどまらず、他の多くの障壁も間もなく取り除ける」(Kroes氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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