論争の渦中にあり、数週間にわたって大きく報じられていたBrendan Eich氏が、Mozillaの最高経営責任者(CEO)を辞任する。
Mozillaは米国時間4月3日、ブログ投稿でこの決定を発表した。
Eich氏が、人気の高いウェブブラウザ「Firefox」を開発する同社のCEO職に就いていたのは非常に短い期間だけだった。Mozillaは、2010年にCEOに就任したGary Kovacs氏がおよそ1年前に退任して以来、新しいCEOを探していた。
しかしCEO就任直後に、2008年の大統領選が行われている最中にEich氏が、「Proposition 8」を支援する活動に1000ドルを寄付したことが明らかになった。というよりは、その事実が蒸し返されたといった方が適切だろう。
Proposition 8はカリフォルニア州における同性婚禁止を求めるものだった。
Eich氏は当初、個人的な寄付や政治活動に関する批判を一蹴していたが、その後まもなく、自身の寄付を不快に感じたFirefoxユーザーに「苦痛を与えたこと」に対する遺憾の意を表明した。
しかしその遺憾の意で、インターネットユーザーやさらにはMozillaの取締役らの怒りを鎮めることはまったくできなかった。取締役のうちの3人は、Eich氏任命をめぐって辞任したと報じられている。
ハイテク業界のその他の人物からも、Eich氏をめぐってMozillaを厳しく非難する声が挙がった。大手オンラインデートサイトのOkCupidは、Firefoxで同サイトにアクセスするユーザーをEich氏辞任を強く求める書簡にリダイレクトするということまで実施した。ランディングページではさらに、リダイレクト実施中は別のブラウザやアプリでOkCupidにアクセスするよう訪問者らに求めていた。
3日のFirefoxのメモによると、Eich氏は解任されたのではなく自身の意思で退任したという。
同社会長を務めるMitchell Baker氏は、「われわれの行動は、Mozillaに対する期待に沿うものではなかった」と述べた。「この論争が始まった時に、十分に迅速に人々と向き合うことをしなかった。ここに謝罪する。われわれはより良い行動をとらなければならない」(Baker氏)
後任については、「Mozillaの統括者については引き続き議論を続けている」とBaker氏は付け加えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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