Googleは米国時間3月29日、同社の「Google Public DNS」サービスがトルコで遮断されていることを認めた。Domain Name System(DNS)は、数字で構成されているInternet Protocol(IP)アドレスと人間が読んで分かるドメイン名との間での変換を受け持つ仕組みだ。
GoogleのソフトウェアエンジニアSteven Carstensen氏が同社のセキュリティブログへの29日の投稿で明らかにしたところによると、同社のDNSサービスがトルコのほとんどのインターネットサービスプロバイダー(ISP)で遮断されているという信頼性の高い報告を複数受け取っており、自社の調査でもそれを「確認」したという。Carstensen氏は今回のウェブ上での誤誘導を、電話帳に記載されている電話番号の改ざんになぞらえている。
「しかし、あなたの電話帳が何者かによって別のものとすり替えられたと考えてほしい。この電話帳はすり替えられる前のものとまったく見た目が同じであるが、そのうちの何人かの電話番号は別の番号に書き換えられてしまっている。今回起こったことは、実質的にこれと同じだ。トルコのISPは、GoogleのDNSサービスに見せかけた偽のサーバを用意したのだ」(Carstensen氏)
Googleのブログ投稿では直接触れられていないものの、Google Public DNSサービスが遮断されているのは、トルコ政府によるYouTubeやTwitterといったサイトへのアクセス禁止措置を迂回(うかい)できないようにするためのようだ。トルコ国民は、自分たちのPCやモバイル端末にGoogle Public DNSのIPアドレスである8.8.8.8や8.8.4.4を設定することで、同国政府によるTwitterへのアクセス禁止措置をかいくぐっていると伝えられていた。
トルコのRecep Tayyip Erdogan首相が自らの政治腐敗スキャンダルがソーシャルネットワークのTwitterを通じて広まったことを受けて同サイトを糾弾した後、トルコ政府は現地時間3月20日、国民7600万人がTwitterにアクセスできないようにする措置を講じていた。またGoogleは、トルコ政府の腐敗を指摘する内容のYouTube動画を削除せよというトルコ当局からの要請を無視したと報じられている。Googleはその時点でThe Wall Street Journalに対して、「世界中の人々にとって自由かつオープンであるインターネットというものを支持しており、いつであっても、そしてどこであっても、それが脅威にさらされることに懸念を抱いている」と述べていた。その1週間後、トルコの電気通信当局は、YouTubeの禁止措置を発動した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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