NHKは3月27日、ドラマやドキュメンタリーなど4K作品によるプレス向け試写会を実施した。放送番組として現在2Kで放送されている作品の4Kバージョンになる。
上映されたのは「ダーウィンが来た!生きもの新伝説~歩いて冬眠!?ホッキョクグマの秘策~」「人体・ミクロの大冒険」「月の魔法が命をよぶ グレートバリアリーフ大産卵」「桜ほうさら」。すでに放送済みの作品も含め、全4作品が公開された。
編成局計画管理部部長の黄木紀之氏は「NHKとして4Kの放送を視聴者に届けることはまだできない。その中でなぜ4K制作に取り組むのかというと、1つはコンテンツの国際展開力を強化するため。4Kに対する世界的なニーズが高まっており、高精細映像への期待感に応えていきたい。もう1つは8Kに向けてのノウハウの蓄積。4Kのすぐ先に8K時代がやってくる。現段階では8Kのカメラや機材はごく限られた数しか開発されていないため、8Kを見据えて4Kによる制作手法や業務フローを開発し、習熟していく必要がある」と4Kに取り組む意義を話した。
4Kでの番組制作をスタートしているジャンルは、自然もの、科学もの、ドラマ、スポーツなど、NHKのフラッグシップ番組。いずれも大型コンテンツであり、黄木氏は「4Kコンテンツとして世界に通用すると考えている」と自信を見せる。
公開された作品はドキュメンタリーやドラマ、CGなど映像の内容が異なる。ダーウィンが来た!では、と白一色になりがちな氷や雪、ホッキョクグマの映像を、繊細な白のグラデーションで表現。人体・ミクロの大冒険は、4KによるフルCGに初チャレンジし、体内の細かなディテールまで再現できたという。
水中での4K撮影も実現した。月の魔法が命をよぶでは、サンゴの大産卵シーンを夜間の水中という条件下で撮影。最高画質のRAW収録で行い、最新ポスプロ技術を使うことで肉眼で見る海中の色彩を再現した。また、桜ほうさらでは、後半に多数出てくるナイトシーンで4Kの実力を発揮。番組プロデューサー自らが「4Kの馬力が一番出るのがナイトシーン。炎が浮き上がりなどが、つややかに生々しく表現できる」とコメントした。
試写会ではいずれの作品も2~7分程度を上映。桜ほうさらのみ本編の一部抜粋のあと、本編88分がフルで上映された。
NHKでは、今後も自然科学やドラマを中心に4Kによる制作を進めていく方針。また2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて、日本をテーマにしたドキュメンタリー作品を、4Kコンテンツで制作することを明らかにした。
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