JPEGという画像フォーマットは何年も前から使われてきており、消え去る気配はいまだに見られない。Mozillaが米国時間3月5日に、同フォーマットで圧縮された画像のサイズをさらに10%削減するプロジェクトを発表した理由はそこにある。
「Firefox」の開発元である非営利組織のMozillaは、JPEGフォーマットの画像をより巧妙に圧縮することを目的とする「mozjpeg」プロジェクトを発表した。ファイルサイズを縮小することで、ウェブページはより迅速にロードできるようになる。Mozillaはウェブのパフォーマンス向上に大きな関心を抱いているのである。
Mozillaの上級技術ストラテジストであるJosh Aas氏はブログへの投稿で、「ウェブページのロードにおいて、写真(データ)は簡単にそのネットワークトラフィックの大部分を占めるようになる」と述べたうえで、「こういったファイルのサイズを小さくすることが、最適化の目標となるのは明らかだ」と語っている。
Mozillaが今回手を入れるのは、JPEGファイルの作成に使用される「libjpeg-turbo」という、既存のオープンソースのツールだ。Mozillaはこのツール上に、画質の劣化を引き起こさずに最高の圧縮オプションを選択する「jpgcrush」というツールの機能を追加することになる。
MozillaがWikimedia上にある1500枚の画像に対して実施したテストでは、同エンコーダーによってファイルサイズを10%縮小できたという。また、PNG画像の画質も向上できるうえ、ファイルサイズも多くの場合、2%から6%縮小できるという。
Googleも、ウェブの迅速化に向けてさまざまな取り組みを行ってきている。「WebP」という、まったく新たな画像フォーマットもその1つだ。Facebookをはじめとする多くの企業がWebPに好意的であるものの、Mozillaはこの取り組みには現在のところ参加していない。
Mozillaの広報担当者であるJustin O'Kelly氏は同社が2013年に行ったWebPの分析に言及し、「われわれは、WebPがJPEGよりも40%優れているという主張に納得していない」と述べている。
Aas氏によると、画像圧縮手法に何らかの大きな進歩がもたらされる可能性はあるが、そうであったとしても、JPEGは広く利用され続けるため、改善していく価値があるという。
mozjpegのソフトウェアは現在のところバージョン1.0だが、例えばトレリス量子化といったアプローチの採用も含め、さらなる改善がなされるはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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