Appleの最高経営責任者(CEO)として、Tim Cook氏がある意味でSteve Jobs氏と正反対の振る舞いをすることはよく知られている。Jobs氏のような大言壮語や大胆な主張がCook氏の口から飛び出すことはない。少し南部訛りのある心地よい話し方をし、動じない性格を持つCook氏は、非常に冷静な人物という評価を受けている。ただし、あなたが気候変動は捏造(ねつぞう)だと考える株主なら、話は別だ。
米国時間2月28日に開催されたAppleの年次株主総会で、ワシントンDCに拠点を置く保守的なシンクタンクがAppleに対して、収益につながらない環境保護の取り組みをやめてはどうかと提案したが、Cook氏はそれをはねつけた。
そのシンクタンクは、National Center for Public Policy Research(NCPPR)だ。NCPPRは、Appleがグリーンエネルギーへの依存を強めていることや、Cook氏が同社の持続可能性実現への取り組みの責任者として元米環境保護庁(EPA)長官のLisa Jackson氏を雇用したことを、快く受け入れてこなかった。NCPPRの法務顧問であるJustin Danhof氏は、年次株主総会に先だってAppleに向けた声明の中で、そのことを明言している。
Danhof氏は声明の中で、「企業の製品や事業に対する政府の規制強化や、同様の強制的な環境基準に、われわれは反対する。これは、(Appleが)積極的に反撃すべきことであり、降伏の準備を進めるべきことではない」と述べ、NCPPRが株主総会でこの誓約の採決を要求していることも付け加えた。
Cook氏はそれを受けて、Appleは大量の現金を保有しているが、株主の要求、特に政治的動機に基づく要求に屈するつもりはない、と痛烈に反論し、「われわれの活動の多くは、利益追求以外の理由で行われている。われわれは世界をこれまでより良い場所にしたいと考えている」と述べた。
Danhof氏の提案はもちろん否決されたが、それは、Cook氏が自身の反論を次の言葉で締めくくってからのことだった。地球環境保護に対するAppleの献身的な取り組みは観念的、あるいは経済的に愚かなことだと思う人は、「当社の株式を売却」してくれて構わない、と同氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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