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「打ち上げ花火は続けない」--ヤフー小澤氏に聞くEC革命の本音 - (page 2)

藤井涼 (編集部)2014年02月12日 09時00分
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 もちろん減益になりますよね。そういう意思決定をしたわけですから、蓋を開けたら黒字だったということは絶対にありません。Yahoo!ショッピングでは現在2桁億円の広告売上があるのですが、出店料と売上手数料の無料化によって収入が減少し、広告の売上だけでは運営のコストがまかなえなかったということです。

 ただ、我々としてはいつまでに増益というお約束はしていません。中途半端に広告の売上にこだわるあまり、本来やるべきマーケットプレイスの活性化に対してネガティブなことをするよりも、収益低迷の時期を1~2年とってでも市場を拡大させたいということです。それから広告は流通総額に依存して拡大すると思っていて、第3四半期でようやく(流通総額が)上向きになりました。1月も非常に好調だったので、そういう意味では勢いがついてきました。ただ、残念ながら市場全体のトレンドをキャッチアップできるほどではありませんので、2014年度中にまずは流通総額を大きくしたいですね。

――個人間同士で商品を売買できるサービス(CtoC)や定期購入型のサービスが登場するなど、ECの形態も多様化しています。

 たとえばリアルの小売は、コンビニ、スーパー、デパート、中古ショップ、自動販売機など業態が多種多様ですが、インターネットではまだそれほど消費者のニーズに応えるサービスが揃っていないので、あらゆる会社が全速力でそこに対応しようとしているということです。そういう意味では、ECにはまだまだ空白地帯が多いですね。

 ただ、ヤフーが目指すべきは王道だと思っているので、多くのユーザーが求めているサービスを作っていくべきだと思います。たとえば、ヤフーのユーザーが100人いたら、その中で要望が多い順に作っていくというイメージで、定期購入型のサービスなどについても100人のうち70人が使いたいといえばやるべきでしょう。ただ、いまリアルの世界で定期購入でモノを買っている人が多いかというと、そうではない。ヤフーとしては、リアルと照らし合せながら、消費者のニーズにしっかり優先順位をつけて応えていくということです。

――多くのユーザーやEC事業者がヤフーの次の手に注目していると思います。今後、新生Yahoo!ショッピングはどのようにして、他社と差別化していくのでしょう。

 マーケティング上の見せ玉みたいなもので勝とうとは思っていません。やはり本質的な部分で消費者に選んでいただくために大切なのは、売れるモノをしっかり安い価格で提供することと、これまでEC市場では取り扱っていなかったような商品を増やすこと。この縦軸(価格)と横軸(商品数)ですね。一番安いお店で商品を買うというのは消費者行動として当たり前のことですから、そこをしっかりとやりきれない限りは勝てないと思います。

 そのための施策の1つが、ストア出店料や手数料の無料化です。ロイヤリティがない分、出店者さんに他のマーケットよりも価格を安くしていただいたり、より多くの在庫を寄せていただける可能性がありますので、そこに向けて何年かかってでもやっていくということです。たとえば、世の中で売れている商品の30品目のうち28品目が一番安ければ、大きなニュースにならなくても、自然に消費者から支持されるサービスになっていくのだと思います。なので、飽きられないように打ち上げ花火を続けるつもりはまったくなくて、これからは非常に地味で地道な作業を続けていくことになると思います。

 ただ、こうした地道な作業はどうしても人出がかかるものですから、1月中旬からエンジニアを中心に人員を増やしているところです。ショッピングカンパニーは全体で450人近くいるのですが、できればこの2~3カ月で200人近く採用するつもりです。ヤフーとしては異例の数ですが、組織力を高めてさらにスピードを早めていくためには必要だと思っています。

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