2013年10~11月のスマホ購入、6割以上がiPhoneに集中--ドコモ・ドットコム調査

小笠原亮(ドコモ・ドットコム)2014年02月05日 13時00分

 ドコモ・ドットコムによる、モバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の最新号(Vol.10)より、スマートフォン購入状況調査の一部をお届けする。

 2013年10月から11月にかけての端末購入動向においては、9月20日に発売開始されたiPhone 5s、iPhone 5cが依然人気を集めるのか、また各社が発売したAndroid冬春モデルがどの程度巻き返せるのか、といった点が注目であった。この観点を中心に該当月の端末購入動向を見てみたい。

 まずiPhoneの動向を追ってみると、9月に続きNTTドコモの「iPhone 5s」が最も売れており、10、11月共に全体の首位を獲得している。次いでソフトバンクモバイル、auのiPhone 5sが続いており、報道などでも述べられているように、上位モデルであるiPhone 5sに人気が集中する結果となった。発売直後は在庫不足もあり、なかなか購入希望者に端末が行き渡らなかった模様だが、11月頃からその問題も解消されたため、今後年末年始商戦期においては更に購入者が増加することも予測される。

 一方「iPhone 5c」だが、iPhone 5sに続く人気を集めてはいるものの、その差は大きい。またドコモの場合、10月後半のAndroid冬春モデル発売時期を契機に、やや購入者数が減少している。ソフトバンクモバイル、auでは11月もiPhone 5sに次ぐ人気を集めていることから、これまでAndroidに注力してきたドコモにおいては、一定のAndroidニーズが存在することがうかがえる(図1)。

購入機種トップ10(11月を基にソート)
図1:購入機種トップ10(11月を基にソート)

 そのAndroid端末においては、「Xperia Z1」が最も売れており、Xperiaブランドの人気の高さが表れる形となった。次いで「ARROWS NX」「AQUOS PHONE ZETA」が続いているが、これまでXperiaと並んで人気の高かったGALAXYの新機種はランキングに入っておらず、明暗を分ける形となっている。

 とはいえ、前号で予測したように、iPhone人気が発売直後以上に顕在化している。9月においては、全体に占めるiPhone購入比率が58.1%だったが、10月には63.5%、11月には63.3%を示し、特に10代においては両月とも70%以上がiPhoneを購入している(図2)。

図2:2013年10月~11月のスマートフォン購入状況、OSのシェア(画像を保存すると大きい画像が見られます)
図2:2013年10月~11月のスマートフォン購入状況、OSのシェア(画像を保存すると大きい画像が見られます)

 昨年も10月に全体の61%がiPhoneを購入する動きが見られるなど、発売翌月に購入者がさらに増加していたが、今年はそれを上回る形で同様の動きが現れる結果となっている。

 さらに昨年の傾向を振り返ると、年末商戦期である12月には更にiOSシェアが伸びており、翌年1月に入ってようやく落ち着きを見せていることからも、今年も年末商戦期の伸びが予測され、70%近くまで伸びることも考えられる。初夏にはドコモのツートップ戦略が大きな話題となったが、結果的にはiPhone 5s、iPhone 5cが2013年の端末販売動向における最大の話題となりそうだ。

 次に、キャリア別の購入シェア状況を見ると、10月、11月共にドコモが約4割を占め、首位となった(図3)。au、ソフトバンクモバイルはほぼ同率となっており、10代や女性層の支持がやや高い結果となっている。8、9月と10代の購入率においてドコモを上回っていたauだが、10、11月においてはドコモも巻き返しを見せており、iPhone発売効果を背景に若年層にも受け入れられた模様である。とはいえ、20~40代の購入率と比較すると、10代においては依然低いシェア率となっており、今後若年層からの支持をどの程度まで得られるかがドコモの端末販売における鍵となりそうだ。

2013年10月~11月のスマートフォン購入状況、キャリアのシェア(画像を保存すると大きい画像が見られます)
図3:2013年10月~11月のスマートフォン購入状況、キャリアのシェア(画像を保存すると大きい画像が見られます)

 また、10、11月における端末の購入形式を見ると、スマートフォンからスマートフォンへ買い替えを行ったユーザーが全体の約6割を占める結果となっている。前述の状況とあわせて考えると、所有するスマートフォンからiPhoneへ買い換えたユーザーが多かったと思われる(図4)。今後も話題性、訴求性の高い端末が発売された際には、同様の傾向が出現することが予測される。

スマートフォン購入形態、スマートフォン移行状況、(画像を保存すると大きい画像が見られます)
図4:スマートフォン購入形態、スマートフォン移行状況(画像を保存すると大きい画像が見られます)

 一方、2012年10月~11月ではフィーチャーフォンからスマートフォンへ買い換えるユーザーが半数以上存在したが、2013年は約3割にとどまった。このことから、スマートフォンに興味を持つフィーチャーフォンユーザーにおいては、スマートフォンへの移行がかなり進んだのではないかと推測される。まだまだフィーチャーフォンユーザーが携帯端末利用者全体の過半数を占めていると言われているが、今後はこれまでのペースとは異なり、緩やかにスマートフォンへの移行が進んでいくと思われる。

ドコモ・ドットコム発行「スマートフォンレポート」
ドコモ・ドットコム発行「スマートフォンレポート」
端末の販売動向やユーザーの利用動向などといった、スマートフォンに関する独自調査分析レポートを中心に、NTTドコモへのインタビュー、モバイル広告やメールマーケティング施策に関する記事等を掲載する、モバイルビジネス・マーケティング情報誌。最新号である1月号(Vol.10)は2月5日より配信中。紙媒体ではなく、PDF形式のデジタルメディアとなっており、ウェブサイトにて無料会員登録を行えば、誰でも完全無料にて、すぐにダウンロード・入手可能。バックナンバーも全て入手できる。

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