ドワンゴと日本電信電話(NTT)は2月4日、映像とソーシャルサービスの高度化に関する技術開発の成果を発表した。両社は、動画サービス「niconico」のサービスの進化や、NTTの研究所が持つ技術の高度化を目的に2013年7月に提携しており、NTTは同年8月にエイベックス・グループ・ホールディングスから、ドワンゴの株式の約4.99%を50億円で取得していた。
今回両社が開発したのは、六本木のライブ会場「ニコファーレ」に設置された360度全天周カメラの映像から、視聴者がヘッドマウントディスプレイ(HMD)を通して好きな方向を自由に見渡せる新しい視聴サービスを実現する「全天周映像向けインタラクティブ配信技術」。視聴者は自身の向く方向に追随した映像を直感的に視聴できるため、あたかもその場にいるかのような臨場感あふれる映像を体験できるとしている。
また、ネットワークが混雑時でも視聴者の体感品質を最善にする配信レートなどを、過去の状況から予測する「視聴品質最適化技術」も開発。これまでニコニコ動画をはじめとする映像配信サービスでは、配信レートが高い高品質映像の提供中にネットワークが混雑すると、データ伝送が映像再生に追いつかずに映像が停止することがあった。
そこで、NTTではネットワークの状態とサービス利用者の体感品質の関係を解明し、視聴者が実際に感じる映像の満足度を客観的な数値として推定・最適化可能な視聴品質最適化技術を確立したという。この技術を用いて、サービス利用者の環境やネットワークの混雑状況に応じて、最適な配信レートなどをレコメンドする品質APIのプロトタイプを開発。ドワンゴではこのAPIに接続することで、niconicoにおける体感品質の最適化を可能とするアプリを開発したとのこと。
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