米国家安全保障局(NSA)は毎日、世界中から「対象を特定することなく」大量のテキストメッセージを収集しているという。英紙The Guardianが報じた。
The Guardianは現地時間1月16日、NSAの内部告発者であるEdward Snowden氏が提供した文書を元に、「Dishfire」というコードネームが付けられたNSAのプログラムが、世界中のSMSメッセージを1日に2億件近く収集して保存すると報じた。この記事によると、このプログラムは、既存の監視対象にとどまらず、「収集可能なものをほとんどすべて」収集するという。
NSAが「非合法活動の疑いがない者を含め、人々の旅行計画やアドレス帳、金融取引など」の情報を引き出してきたと、The Guardianは伝えている。同紙は、英国のChannel 4 Newsと協力してこのプログラムを調査した。
記事によると、英国の諜報機関である政府通信本部(GCHQ)も、英国在住の人々の通信を「対象を定めず令状なしに」調べるために、NSAが保有するテキストメッセージのデータベースを利用したという。文書からは、米国から発信された通信の一部がデータベースから取り除かれた可能性もあるが、その他の国からの通信についてはそういうことはなかったことがうかがえると、The Guardianは述べている。
NSAは、データベースにテキストメッセージを保存するだけでなく、テキストメッセージの「自動分析」を行う「Prefer」というプログラムを開発した。The Guardianによると、NSAは通常の日で次のような情報をSMSメッセージから引き出すことができたという。
- 500万件を超える不在着信通知。これは、つながりを連鎖的に解析する(誰にいつ連絡したかという記録からソーシャルネットワークを明らかにする)ことに使うためのもの。
- 1日に160万件の国外向けメッセージの詳細。ネットワークローミングの通知機能を利用して取得。
- 電子名刺に記載された11万人超の名前(画像の抽出や保存も可能)。
- 80万件超の金融取引。メール決済や、電話使用者とクレジットカードの関連づけにより取得。
NSAの広報担当者はThe Guardianに宛てた声明で、Dishfireシステムは合法的に収集されたSMSデータの処理と保存を行うと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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