2014年の展望

2014年に注目すべきサービスはこれだ--ベンチャーキャピタル編 - (page 3)

岩本有平 (編集部) 平野武士2014年01月03日 17時30分
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ベンチャーユナイテッド チーフベンチャーキャピタリスト 丸山聡氏

質問1:キーワードは「スマホファーストの“その先”」です。何をいまさらという感もありますが、2013年に入ってからはPCを中心に提供していたウェブサービスについても、スマートフォン(タブレット含む)からの流入が大きく高まってきて、スマートフォンユーザーがアプリだけでなくブラウザの利用に慣れてきたと言えるのではないでしょうか。

 これがPC中心のウェブサービスをどう対応するかでウェブサービスの明暗が大きく分かれていく可能性も秘めているという点では重要な変化であり、今後のウェブサービスは「PCかモバイルか」や「アプリかウェブか」という選択ではなく、また「スマホ“対策”」という次元ではなくなってきます。

 従来からPCを中心としてウェブサービスを提供していた企業にとっては、自社のサービスをユーザーの最高の体験とするために何が最善かを考え抜いてそれぞれのユーザーにとって必要なUIや機能を含めたサービス設計をしていく必要性がいままで以上に高まっているといえますし、このあたりをゼロから企画、設計できるベンチャー企業にとってはこのデバイスにおける大きな変化は、引き続き成長のチャンスになると思います。

質問2:国内は家族やカップルなどの親密な関係におけるコミュニケーションサービスに注目しています。家族による育児記録「KiDDY」やカップル向け「Pairy」といったサービスが登場し、従来はリアルで行われていたコミュニケーションがネットとも融合されはじめています。

 これにより、関係性が深まったり、新たな行動や消費といったものがより起こりやすくなっていくのかどうかが注目すべき点でしょう。特にKiDDYは——シニア層へのタブレットやスマートフォンの普及が進む中で——3世代(親、子、孫)のサービスとして確立できるかという点で非常に注目しています。

 海外は金融分野に注目しています。特にリトアニアの「TransferGo」などが始めている海外送金サービスです。そもそも金融機関同士の情報伝達サービスである送金サービスは、インターネットとの親和性も高く、これまで顧客にとっても利便性が低かったこともあり、大きな成長が期待できる分野ではないかと考えています。また、リトアニアからこうしたサービスが生まれるというところも面白いと感じています。

 そのほか、米国において資本形成におけるクラウドファンディングの取扱額がどのように成長し、従来の金融ビジネスの代替に育って行けるのかという点については継続して注目しています。

YJキャピタル 取締役COO 小澤隆生氏

質問1:キーワードは「楽しかった」。IPOマーケットも投資についても久しぶりにベンチャー市場が活性化し、非常に明るい年、愉快な年でした。ちょっとしたバブルかもしれませんが、まあ、お金が集まり、いろんなベンチャー企業が元気に活動するのは日本にとってとてもいいことなのではないでしょうか。

質問2:国内に関しては「死に関するサービス」。世の中のあらゆるものがインターネットと結びついていく中で、死に関する部分は未だ未開拓です。原因はこれまでインターネットユーザーの中心が比較若い層から広がっていたことが大きいと推察していますが、昨今では60代以降にも広く浸透してきています。その結果、インターネットユーザーが死去することが多くなるにつれ、この領域にもインターネット化の波が広がっていく考えています。

 海外については「テレビ」を挙げます。「Chromecast」をはじめ、テレビを居間にある巨大なモニターとしてとらえるサービスやデバイスが果たして成功するかどうかに注目しています。

 この流れは過去20年に渡って続いていますが、通信環境、技術、オンデマンドコンテンツが充実し、いよいよその時が来るのではないかと考えています。米国でもし勢いがついてきたら、確実に日本にも訪れるはずです。

リード・キャピタル・マネージメント パートナー 鈴木智也氏

質問1:キーワードは「ブーム!?」です。アベノミクス効果等により、バリュエーションの高騰、投資(調達)金額の増大といったブームとも感じてしまう現象が続き、起業家もVCも、それぞれの立場で競ってきた年だったと思います。

 高いバリュエーションでも、フェアバリューという視点での投資(調達)であれば良いですが、ブーム=外的要因から生じている要素での投資(調達)であった場合、その前提が崩れると、想定した様々なシナリオに当然に狂いが生じます。

 そういう意味で、外的要因に左右されづらい、内的要因によって企業の力や価値を創り上げていけるかが重要です。後年振り返って、ブームと総括されないためにも、そのサポート役であるVCの企業支援のあり方に、ビジネスリテラシーや経営当事者能力といった側面が一層問われてきているように思いますし、何よりもサポートしきる気概を持たねばと改めて感じた1年でした。

質問2:国内はEC企業、EC関連企業全般です。スマートフォンの普及やオムニチャネル化の促進等により、BtoCならびにCtoCのEC分野の注目度は益々高まってくると考えています。

 従って、EC企業において重要な要素と考えている(1)集客力(2)商品力(3)サイト力(4)ロジスティクス力(5)分析力のいずれか、または複数を持ち合わせ、磨き込みをかけているようなEC企業や、(1)から(5)の要素を補完、強化するようなEC関連企業に興味があり、積極的に投資をしていきたいと考えています。

 海外については、少し角度が違うかもしれませんが、「Pinterest」「FANCY」「Uber」といった日本市場に2013年に参入したサービスの動向は注目したいと思います。

 特に、これらのサービスがどのような大がかりな仕掛けを繰り出し、インストレーションを狙ってくるのか。そして果たして定着するのか、それに対抗する日本発プレイヤーは生まれるのか、などといったポイントに注目したいと考えています。そして、海外サービスの攻勢を契機にした、日本発のイノベーティブなサービスにも期待したいと思います。

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