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2014年の展望

ヤフー宮坂社長に聞く“爆速経営”の手応え--2014年は「×10倍」 - (page 2)

別井貴志 (編集部) 藤井涼 (編集部)2014年01月01日 08時30分
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 凄いと思いますね。LINEは本当の意味で、初めて日本から世界に出ていったネット企業なのではないでしょうか。以前は日本の会社はシリコンバレーに行ってからでないと世界には行けないみたいなことも言われていましたけど、渋谷からでもできるんだと(笑)。なので日本のネット業界に勇気をもたらしたんじゃないですかね。Yahoo! JAPANは、いろいろな制約があって日本の中でサービスを提供する会社ですし、LINEとは事業的には一部バッティングするところもあるんですけど、リスペクトしていますね。パズドラもそうですけど、僕らもああいうビックリするサービスを作っていきたいですよね。

――組織としてのヤフーについて。3年に1度のペースで社員の部署異動をしているそうですが、その理由を教えてください。


 ヤフーの仕事内容は労働集約型というよりは知識創造型なので、どこかで社員の才能を解き放つ方向に振ってあげた方が、アウトプットがよくなると信じています。異動については、やはり経験から得られる学びが人を一番育てると思っていて、よく職種を変えるのではなく「経験をズラして欲しい」と言っていますね。たとえば、経理部門でも全社の経理だけじゃなく、ショッピング担当の経理をやったり、グループ会社の経理やったりして、経験をズラしていく。それだけで、同じ経理マンでも幅の広がり方が全然違うと思っています。ただ、基本的に人は変化が好きじゃないと思うんです。できれば定年までまったく変化のない業界だったらいいなと思うことも正直あると思います。でも、いまのヤフーでは変化に慣れていかなければいけないので、ある程度ルールを決めようということで3年に1度のペースで部署の異動することにしています。

――北海道の美瑛町に研修センターを設けるそうですが、あえて東京から離れた場所に拠点を設ける狙いは。

 美瑛町にしたのは、もともとうちの幹部が現地の方と知り合いで、どちらともなく決まったのですが、研修センターを作りたいよねという話はずっとしていました。ネット企業なので、いろいろな場所で働けるようになればいいと思うんです。たとえば、米国だったらニューヨークにも、シアトルにも、シリコンバレーにもネット企業はたくさんありますよね。なのに、なんで日本は六本木と渋谷ばかりなんだろうと素朴な疑問があって(笑)。

  • ヤフーの研修拠点として使われる旧美瑛町立旭小学校

 せっかくネット企業なんだから、環境のいいところで仕事ができるようにしたい思っていて、少し前から自宅で仕事をしてもいい「どこでもオフィス」という制度も設けています。それだったら拠点も作って実験してみようと。ヤフーは今後、人材開発会社になりたいという思いもあるので、研修をすごく大事にしたいと思っています。たとえば「ヤフーアカデミア」みたいなものを作って、そこで社内外の人材が交流したりディスカッションしたりできる場は作りたいですね。

 あとはやはり開発の拠点ですよね、会社のことを“オフィス”と呼びますが、それに対して“ベース”と呼べる場所を各地に作ろうと思っているんです。オフィスというのは、たとえば昨日やっていたことを今日はもう少し効率的にするとか、10人の作業を9人でこなせるようにするとか、そういうオペレーションの場だと思います。ただ、それとは別に集中的にモノづくりができる環境を用意してあげたいと思っていて、それぞれの拠点にはベースという名前をつけようと思っています。2012年に作られた石巻復興ベースや、今回の美瑛ベースなどもそうですね。これからはオフィスとベースをうまく使い分けれるといいですね。

――最後に、これまで「爆速」「ビックリ」とスローガンを掲げてきましたが、2014年はどうするのでしょう。

 2014年のキーワードは「×10倍」です。2013年にビックリなサービスを作ると言いましたが、いまいちモヤッとしているなと感じていて。じゃあ、ビックリってなんだろうと改めて考えた時に、1つは世の中にないものをゼロから作ることなのですが、これはもう発明に近いのでちょっと自信ないなと。ただ、1を10にするのは普通の人でも頑張ればできるじゃないですか。そこで、とにかくヤフーの各サービスで、何か1つを10倍にすることをテーマにしました。

  • 社内には2014年のスローガンである「×10倍」を掲げたポスターが貼られるという

 たとえば、「Yahoo!ニュース」の記事本数を10倍にするとか、更新速度を10倍速くするとか、お年寄りも簡単に使えるように10倍操作性をよくするとか。何かを10倍にしようと思うと発想の転換が必要になりますよね。EC革命もそうだったと思います。あれはタダになってしまったので10倍どころじゃないですけど(笑)。やはり出店料にしても2万円が1万円になるだけでは驚きはないですよね。2万円をゼロにすることに意味があるわけで。何かで10倍以上の変化が起きると、同じことをしていても劇的な違いが出るということは、ショッピングで実感しましたね。

――ちなみに、宮坂さんご自身の2014年の目標は。

 もちろんもっと会社を成長させたいですけど、そのためには社員がもっと働きやすい、才能を生かせる場所にしないといけないですよね。業績が伸びて決算会見なんかでドヤって言うのも嬉しいんですけど、それよりも社員から「最近すごく働きやすくなった」とか、「モチベーションが上がった」と言われる方がすごく燃えるんですよね。なので、これからもどんどん組織をよくしていきたいです。

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