別井: Internet of Things の話に戻りますが、Internet of Things が発展した時代にビジネスには大きな変革があるとわかりましたが、個人のライフスタイルにも変化はあるのでしょうか?
伊藤: ビジネスと個人、そこに大きな違いはないというのが私たちの見解です。それがよく現れているのが Windows 8 や Surface です。
平野: たとえば、伊藤さんの持っている Surface はデスクトップモードの方では Active Directory のアカウントを利用している一方、タブレットモードでは Microsoftアカウント(以前、Windows Live ID と呼んでいたもの)を利用しています。この1台の中に、Micorosoftアカウントを使うプライベートな伊藤かつらと、Active Directory に接続して働く伊藤かつらがいて、アイデンティティのマッシュアップしているんです。
伊藤: オフィスのメールを見ているのと同じ端末で、新聞を読み、読書をして、ビデオを見て、ゲームができる。私は最近、飛行機や新幹線で他社の端末を使っている人を見ると、私の持っているSurfaceの方がステキでしょ!と自慢するようにいろいろな機能を使って見せています。
平野: 私も伊藤さんも個人保有の端末で仕事をしていて、Active Directoryにも接続しています。BYODは当たり前のことですが、厳しいコンプライアンスもあります。個人端末でも、自宅からの接続でも、Active Directoryに接続したら会社の支給マシンと同じポリシーが適用されますし、端末の中も見られます。そうした厳しい管理は必要ですが、これを使えばビジネスとプライベートは融合させられるのです。だからSurfaceをビジネスで使うならばPro(Surface Pro)の方が圧倒的に有利ですよ、ホビーならばRT(Surface RT)で十分ですよ、ということで2種類用意していますが。
別井: なるほど。なぜ2つの顔を持ったOSなのか、なぜ2種の Surface があるのか、ということが理解できました。ところで、Internet of Thingsやウエアラブル端末の話ではプライバシーをはじめとして、必ず技術的には可能だけれど倫理的に早すぎる、というような話が出ますが、そのあたりはどうお考えですか?
伊藤: 技術革命というのはそういうものじゃないですか? 今だって、Suicaの利用履歴から個人を特定しようと思えばできるわけです。やっていないだけですよね。リスクの話だけしているとイノベーションは進まないので、社会の成熟を信じてイノベーションにかける方が社会のあり方としては正しいのではないかと思います。
別井: 日本企業がどんなモノを作ったらよいのではないか、というようなヒントはありますか?
伊藤: 私は、日本はハードウェア力が強いと思っています。それを活かして、ITをハードウェアのオマケではなくメインに使う商品を出せばいいのに、と思っていますよ。日本のすばらしいクオリティとデザインと発想のハードウェアで、我々のテクノロジーを使っていただくとおもしろいものが出来ると期待しています。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境