Internet of Things

マイクロソフトが考えるInternet of Things:後編--人とつながるITの時代

別井貴志 (編集部) エースラッシュ2014年01月14日 12時57分
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 再度注目を集める「Internet of Things(IoT、モノのインターネット)」が、どのように新たなイノベーションをおこし、ライフスタイルやワークスタイルが変貌していくのか。日本マイクロソフトの執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長である伊藤かつら氏、デベロッパー&プラットフォーム統括本部 クラウドテクノロジー推進部 業務執行役員である平野和順氏の2人に、マイクロソフトがどのようにIoTを捉えているか、前編では事例を交えつつワークスタイルの変化などを聞いた。後編では、より具体的にマイクロソフトの取り組みや考え方について語られた。

PC以外の端末にも使われている「ここにもマイクロソフト」

別井: センサーなどがネットワークにつながることで大量にデータを取得して企業がさまざまに活用できるという流れはわかりやすいのですが、一般ユーザーから見ると自分がそのメリットを享受しているという実感が薄い面もあると思います。

日本マイクロソフトの執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長である伊藤かつら氏日本マイクロソフトの執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長である伊藤かつら氏

伊藤: でも、自動販売機が顔認識で相手に合わせた飲み物を勧めてくれる、というようなのは始まっていますよね。自然に一歩先に行くのだと思います。

平野: かつらさんが立つのと私が立つのでは勧められるものが違うわけですよね。

別井: そうした変化の中で、マイクロソフトはどう関わっていくのでしょう? PCの形ではない端末もたくさん考えられますが。

平野: Windowsには機能を絞り込んだバージョンもあって、それがいろいろなところですでに採用されています。これは先ほどの話のネットワークに接続する端末数500億個の方に入るもので、センサーなどを含めた10兆個の方の話はこれからですね。現在でも、カーナビなどにはかなりのシェアで入っていますし、ATMとかPOS、あと皆さんがよくご存じの交通のシステムなどにもWindowsは既に採用されているんですよ。すでにコンパクトなWindowsとエンベデッドな開発キットは用意していますから、さらにコンパクト化したり1チップにしたり、という進化はあると思います。Windows CEのライセンスをすごく安くするというのも先日発表しました。

伊藤: マイクロソフトのブラジャー「スマートブラ」、なんていうのもありましたよね。

別井: 私は最初ネタなのかと思いましたよ!

伊藤: 真面目な話でしたね。ブラってどうなの、って私も思いましたけど、心拍数をはかりたいと考えた結果、体にぴったりつけるものでブラが採用されたようです。そういう形でいろいろなものが作れると思います。

別井: すでにかなりいろいろな所にマイクロソフトの技術が入っているんですね。知らないうちにマイクロソフト、といった感じで。

平野: ここにもマイクロソフト、みたいな。

伊藤: 今の状況は、やっとマイクロソフトの時代が来たなという感じでもあります。「1人1台のPCを」というビジョンでスタートしたわけですが、ITはミッションクリティカルという言葉でバックエンドに追いやられてしまいましたよね。それが今になって、人に近づいて来ている。人とつながっているITというのが人を豊かにするものだ、というのがマイクロソフトのもともとの理念だと思っていますから。

「パッケージ屋」から「インフラ屋」へ

平野: 以前のマイクロソフトはパッケージでOSを売る会社でしたが、今ではサービスを提供する会社になっています。以前はお客様がサーバベンダーからハードウェアを購入して、我々のOSをインストールしていたわけですが、今ではクラウドサービスを提供するために我々がサーバを購入しています。ITの流通形態が変わろうとしているわけです。

別井: Windows Live の頃からその気配はありましたが、最近はより加速しましたね。Office 365もありますし、SkyDriveやHotmailなどサービスが核になってきました。

日本マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部 クラウドテクノロジー推進部 業務執行役員である平野和順氏日本マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部 クラウドテクノロジー推進部 業務執行役員である平野和順氏

平野: Windows Azure だけでも大量のサーバを利用しています。数十万台以上のサーバを有したデータセンターを、今では世界で6カ所。今後は東京、大阪、オーストラリアにも作りますから10カ所近くということになりますね。日本のサーバベンダーの出荷台数どころではない数を我々が運用しています。そして、それらのデータセンターをダークファイバーを買ってバックボーンでつないでいます。他の大手サービス会社も同じようにデータセンターを運営しているわけですが、普通に企業サイトなどで使うトラフィックとは比べものにならないトラフィックがそうしたサービスで流れています。もうインターネットバックボーンの3分の1ぐらいが、こうしたクラウドサービスで利用されているはずです。

伊藤: Surface というハードウェアも出して、デバイス&サービスという形になり、あらゆる品揃えをクラウド上で展開しています。みなさんあまりイメージを持っていないでしょうが、それくらい会社の変革をやっています。

平野: この10年くらいでやっちゃった、という感じですね。パッケージ屋さんだったのが、いつのまにかインフラ屋になっている、という感じでしょう?

伊藤: 中にいる人間としては、ようやく文脈があってきたなという感じがします。今までクラウドと言いながら現場ではパッケージを売れと言われているような部分があったのですが、この1年くらいで大きく変化しました。開発も完全にアジャイル開発で、3週間に1度のペースで変わっていきますから、3カ月後にはぜんぜん変わっているかもしれないですし、先のことはわからない部分もたくさんあります。

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