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学生時代はイベントMCと“二足のわらじ”--ドコモの28歳研究者・土井さん

藤井涼 (編集部)2013年12月19日 10時00分
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 この連載では、現在28歳の筆者が、同じく20代で活躍する大企業の若手社員と、同世代ならではの共通点や仕事への思い、さらには休日の過ごし方や好みの本など幅広いテーマについて語り合うことで、大企業や若手ビジネスパーソンの実態を明らかにしていきます。

 今回は、NTTドコモのサービスや技術を研究開発する先進技術研究所 社会センシング研究グループの土井千章さん、現在28歳です。2009年にドコモに新卒入社し、シニア向けサービス「つながりほっとサポート」を担当。その後は、アプリのセキュリティや購買行動予測モデルなどの研究をしているそうです。


NTTドコモ 先進技術研究所 社会センシング研究グループの土井千章さん。両手に持っているのは後ほど紹介する「ポチ袋」

研究者とイベントMC、「2つの顔」を持つ学生時代

――まず、研究者を目指すようになったきっかけを教えて下さい。

 実は父の影響なんです。父も研究者なんですが、仕事で小学校5~6年生の時にアメリカに行くことになって、その時にコンピュータグラフィックス(CG)系の学会に連れていってもらったことがあったんです。世界中の研究者が発表をしていて、それを見ながら「研究者ってカッコいいな、自分もこんな場所で発表してみたいな」と、小学校6年生くらいから憧れていましたね。

――小6で研究者を目指す女の子なんて、いないですよ(笑)。私は小学校の頃は何も考えずに外で遊びまわっていましたね・・・。

 発表者の言っていることはあまり分からなかったんですけど、その姿勢がカッコいいというのを子供ながらに感じていました。

――では、お父さんの仕事柄、初めてPCに触れた時期も早かったんですか。

 そうですね、家には昔からPCがあって、2~3歳から触ったりはしていました。それと父はゲームが好きで新作が出ると買ってくるので、私はファミコンで文字を学びましたね(笑)。

――うちの親はあまりゲームをしないので、買ってもらえたのは小学校に上がってからです。それもスーパーファミコン。なので、幼稚園のころからファミコンを持っている人は憧れでしたね。話が逸れましたが、学生時代から研究を?

 そうなんです。理系だったのでずっと研究をしていました。学部ではCGを医療支援に使うための研究をしていて。脳のくも膜下出血を診断する際に撮ったMRIの画像を解析して、くも膜下出血の箇所を見つけるような画像処理の研究をしていました。

 大学院では、全身のMRIを撮ってモデルを作るプロジェクトがあるんですが、そのためには全身の型を作るために石膏のようなものを使って固定し、被験者が6時間も7時間もずっと同じ体勢でいないといけなかったんですね。それではあまりにも大変だということで、体のパーツごとにMRIをとって、それらをうまく組み合わせて、人体のモデルを作る研究をしていました。

 ただ、その一方で、いろいろな仕事をやってみたいと思っていて、かなりの数のアルバイトもしましたね。

――たとえば、どのようなアルバイトをしたのでしょう。

 コンビニ店員、テレフォンアポインター、工場の作業員、塾講師、イベントMC、ショップ店員、キャンペーンガール、店頭デモ、アプリケーションテストなど色々経験させていただきました。この中で、花開いたというと図々しいのですが、イベントのMCではJリーグのイベントやFリーグのスタジアムアナウンサーなども体験させていただきました。

――もの凄いアクティブですね。そして、研究者をしながらイベントMCというのも珍しい気がします。

 これもアメリカにいたころの影響が大きいかもしれませんね。私かなり内気だったんですよ。日本に住んでいた時は、週に4~5日塾に通っているような小学生で、あまり外で遊ぶこともなかったんですね。でもアメリカに行ったら英語がほとんど喋れなかったので、相手にいかに気持ちを伝えるかを考えるようになりました。だんまりしているのも変なやつだと思われそうで嫌だったので、ひたすら顔芸をやって笑わせたりして自己アピールをしていましたね。この経験がなかったらイベントMCなんてアガってしまって出来なかったと思います。

 大学時代は研究とイベントMCの二足のわらじで活動をしていました。正直、どちらに進もうかすごく迷ったのですが、最終的には技術を使って何かサービスを作りたいと思ってドコモの研究所を選びました。

――イベントMCの方が華々しいイメージがありますが、それでも研究を選んだんですね。

 言葉で聞くと華やかなんですけど、実はどちらも結構泥臭い仕事だと思っています。研究は技術がサービスにつながって花が開くと華やかなんですね。イベントも準備の時はすごく泥臭いんですが、最後のイベント自体は華やかなので、多分そこはあまり変わらないのかなと思っています。

――それはどちらも経験されている土井さんだからこそ分かることですね。でも、なぜ他社ではなくドコモだったのでしょう。

 技術力をつけられることもそうなのですが、自分が生み出した技術をたくさんのお客様に使っていただけるチャンスがあるという、インパクトの大きな研究ができるということですね。また女性が働きやすい環境があって、ずっと仕事を続けていけることに魅力を感じました。

――ドコモに入社してからはどのようなことをしてきたのか教えて下さい。

 まず最初に「つながりほっとサポート」という、シニアの方が使っているらくらくホンの歩数計や電池残量などの利用状況を、見守る側の家族にお伝えするサービスの立ち上げを担当しました。そこでは、主に事業部へのサービス提案や技術サポート、あとはサービスの受容性調査などに携わらせていただきました。

 あと、5年目の時にAndroidアプリを安全に使用するための研究をしていたのですが、この内容を国際会議で発表し、賞をいただきました。2013年にはユーザーが興味のあることを入力したデータを分析して、その結果を学会シンポジウムでデモとして発表したのですが、こちらでも賞をいただくことができました。


土井さんが過去に受賞した賞

――いろいろな実績を残されていますね。ところで、ドコモに入社する前と後でイメージにギャップはありませんでしたか。

 成長できる環境があって、技術力をつけられるんだろうなと思っていたのですが、期待していた以上でした。たとえば、論文を書く際には上司に徹底的に指導していただきましたし、研究に対する姿勢も教えていただきました。社員を育てる環境がこんなにもしっかりしているとは思いませんでしたね。

――ちなみに学生時代の研究の経験は生かされていますか。

 はい。研究の内容は、学生時代と今では異なっているのですが、研究を始める際に世の中でどのようなことが行われているかを事前に調査するとか、論文の書き方や発表の仕方など、学生時代に学んだことはとても役立っています。

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