CNET Japan Live 2013

PCよりも重視すべきモバイルサイト最適化--ユーザーローカルの分析と工夫 - (page 2)

 モバイルサイトについてはいくつかの課題があったが、PCと比べて指先の動きによるスクロール速度が早いため、縦に長いページのテキストがコンテンツが読み飛ばされてしまい、自社の特徴をじっくり伝えることができないという問題の改善に注力。スクロールで飛ばされがちなユーザーの視線を、「読んでほしいコンテンツ」の場所でいかにストップさせるかに取り組んだ。

 モバイルサイトでも、注目を集めるコンテンツやキーワードの傾向自体はPCと大きく変わらないため、PCサイト上で特に注目を集める箇所の内容を凝縮してモバイルサイト上にも掲載。また、PCサイトで効果の高かった「ミーティング」「プレゼンテーション」等のキーワードをコース紹介のページに配置した。これら注目してほしいポイントは必ずしもページ上部の目立つ場所に掲載したわけではなく、従来はスクロールで飛ばされやすかった中間部分に置いたものもあるが、ヒートマップ分析を行ったところ中間部分であってもユーザーの目を止める効果が確認できたという。

 渡邊氏は「『スマホサイトはファーストビューが命』という意見もあるが、先入観を持たずに分析していくことが重要」と話し、下の方に配置したコンテンツでも注目されることもあり、逆にページを開いたときまず表示される“ファーストビュー”内に配置しても、工夫のないコンテンツは読み飛ばされる恐れがあると説明した。また、仮にページの最下部までスクロールされていたとしても内容が読まれているとは限らないため、スクロール範囲に満足せず正確に分析を行う必要があるとしている。

※クリックすると拡大画像が見られます

ほか、スマートフォン向けサイトでコンテンツの大幅な絞り込みを行ったことで、ユーザーを迷わせずメニューボタン部分へ正しく誘導することに成功した例などが紹介された。

 文字入力が行いにくいといった事情もあり、前述の英会話教室ではモバイルサイト経由で資料請求や申し込みといったアクションが発生する絶対数はまだまだ少ないが、紹介したような改善を行ったところ、モバイルサイトにおけるコンバージョンレートは改善前の2倍と大きく伸びたという。最近ではモバイルからのアクセスがPCを上回るサイトも少なくないように、モバイルサイトにおけるトラフィック自体は多く発生している。渡邊氏は「スマートフォンユーザーに適切な情報を提供するということを、今のタイミングで意識すると良い」と述べ、改善による今後の収益向上の余地はPCサイトよりもモバイルサイトのほうが大きいことを指摘、ウェブサイトのモバイル機器への最適化を促した。

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