logo

出品数は1日1万件以上に--フリマアプリ提供のメルカリに新取締役が参画、世界を視野に

岩本有平 (編集部)2013年12月20日 19時00分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 “フリマアプリ”、つまりスマートフォン向けのCtoC型のマーケットプレイスは、2013年最も注目を集めたサービスの1つと言える。事業者はその実績を語らないが、業界関係者からは、「すでに月間流通額が億単位というサービスも1つではない」という声も聞こえてくる。

 そんなフリマアプリの1つ「メルカリ」を手掛けるメルカリが12月20日、元ミクシィ取締役CFOで現在trippiece取締役を務める小泉文明氏を経営陣に迎えたと発表した。

出品数は1日1万件以上に

 メルカリは、ウノウ創業者である山田進太郎氏が立ち上げたフリマアプリ。7月にサービスを公開したが、現在の出品数は1日1万件以上、累計出品数は100万件を超えた。ページビューや流通総額は明らかにしていないが、「二次曲線的な勢いで伸びている。最初は小さなマーケットだったが、1日数百件出品されるようになり、出品数が増えるとコンバージョンが増え、ユーザーの満足度も向上する。これがうまく回るようになってきた」(山田氏)という。

 メルカリではユーザーの属性を取得していないと説明するが、出品されるのは女性向けやベビー、キッズ向けのアイテムが中心だという。また、ユーザーには都心部より地方在住者が多い。「典型的なユーザー像は、地方にいる20代前半の既婚女性。時間には余裕があるが、お金はそれほど多く使えない。ただファッションが好きなので、自身のアイテムを売って、また出品されているアイテムを買っているというイメージ」(山田氏)

 ユーザーの増加に合わせてサポート体制も強化。社内と外部のリソースを組み合わせて、24時間体制で商品の監視など対応しているという。

 先行サービスが複数ある中でメルカリが成長した理由について、山田氏は「口コミ」が最も重要だったと分析する。「今までCtoC(個人間)の取引をやっていなかった層も多いが、Twitterで検索すると『メルカリですぐに売れた』といった投稿がなされている」(山田氏)

 8月には着せ替えアプリ「CocoPPa」を手掛けるユナイテッドが同社に出資。以降スマートフォン広告のノウハウも共有してるとのことで、「口コミで伸びる一方、アグレッシブに広告も展開しており、その勢いは出ている」(山田氏)という。具体的にはユナイテッドグループが手掛けるブースト(App Store上でのランキング向上を狙う施策)広告への出稿が中心となっている。山田氏は「ブーストをしても、根本的にはアプリ自体の評価が良くなければランキングは下がる」と説明してサービスの強みを語る。「(フリマアプリ全体が)認知される中でリーディングポジションを取っていきたい」(山田氏)

海外展開も視野に経営陣を強化

 そんな中、経営陣に新メンバーを迎えることになったメルカリ。この理由について、山田氏は、「これまで富島(寛氏。バンク・オブ・イノベーション創業者)と石塚(亮氏。RockYou創業者)との3人でメルカリを経営してきた。次のフェーズに進む際には、より強い経営体制が必要になる」と説明する。

 山田氏が小泉氏に求めるミッションは、「(前職の役職である)CFOではなく『全部』。ミクシィの立ち上げでも人事や広報などCFO以外のことをしてきた。メルカリとtrippieceの両事業に注力したい」(小泉氏)という。さらに、「今のところないが、将来的にトラブルも起こる可能性がある。そういうときにちゃんとしたルール作りも必要。そういうところは(他社と)協力してやっていきたい」(小泉氏)とした。今回の発表でも、通常「広報部(もしくは広報担当者名)」となっている問い合わせ先の欄には、小泉氏の名前が入っている。

 山田氏はメルカリの長期的な戦略について詳細を決めていないと語る。「有料化のタイミングも含めて、状況にあわせて臨機応変に行動していく」(山田氏)。しかし1つある目標として、海外進出の意志を語る。

 「先日シリコンバレーやニューヨークを回って話をしてきた。競合サービスはいくつかあるが、日本ほどの盛り上がりはまだ無い。モバイルコマースについては日本の方が早いので、海外の可能性は探っていきたい」(山田氏)

CtoCビジネスのキモは“ユーザーが儲かること”

 最後に、山田氏にCtoC型のビジネスで勝者となるために必要な要素は何かと尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。

 「米国で『Uber』(CtoC型の配車サービス)に乗って運転手と話すと、『タクシーよりも儲かる』という話を聞いた。儲かるというといやらしいかもしれないが、今まで機会を捨てていた、マッチングが難しかったモノが適正な価値で販売されるということ。同じようにいらないモノを譲って、自分の欲しいモノを手に入れられる。そこには納得感や満足感があると思う」(山田氏)

 実は筆者は、これと同じような発言をある起業家から聞いたばかりだった。CtoC型の宿泊予約サービスである「Airbnb」を徹底的に研究したというその起業家も、「なぜAirbnbがここまで普及したか? それはセラー(売り手。Airbnbの場合は宿泊者に部屋を貸すユーザー)が利益を上げられるCtoCのサービスからだ」と語っていた。最近では、Airbnbで貸すために複数の不動産を所有、賃借するユーザーもいるという。戦国時代の様相を呈するフリマアプリの中で、メルカリは“ユーザーが儲かる”アプリとなるのだろうか。


メルカリ取締役の小泉文明氏(左)とメルカリ代表取締役社長の山田進太郎氏(右)

-PR-企画特集