コウゾウは7月23日、フリマアプリ「メルカリ」のiPhone版アプリを公開した。
メルカリは、スマートフォンのカメラで商品を撮影し、価格などを設定して手軽に出品できるフリマアプリ。出品された商品の購入は、一度サービスの事務局に代金を支払う。そして商品到着後に出品者と購入者の双方が評価をしたあと、出品者に支払われるため、安全に買い物ができるという。
販売手数料は価格の10%だが、現在リリース記念キャンペーン中につき無料。(合計売上が1万円未満の場合の振込手数料210円を除く、1万円以上は無料)
コウゾウでは、Android版を7月2日に公開。現在ユーザー数は5万以上、出品数は1万点以上。Google Playのライフスタイルカテゴリの人気の新着(無料)で1位を獲得している。
また、今回のリリースに合わせて、East Venturesを割当先とする第三者割当増資を実施により5000万円を調達したことを発表している。
コウゾウ代表取締役社長の山田進太郎氏は、Zyngaが買収したウノウの創業者。スマホを使ったフリマサービスはこれまでのスマートフォン向けゲームの世界とは少し異なるが、「ウノウのミッションも『世界で使われるインターネットサービスを作る』というもので、特に内容にこだわりはなかった。色々やった中でモバイル×ゲームをやってみて、そこでヒットしただけ。ただ一方で海外に出るのが大変だとなった。そうなればグリーやディー・エヌ・エーの様に体力が必要と考えた。(Zyngaへの)売却もそのための選択肢だった」とこれまでを振り返る。
同氏はZynga Japanの退職後に世界一周旅行をし、帰国後にコウゾウを立ち上げた。「日本に帰ってきて新しいビジネスの可能性を考えた時に、まずは『スマホ』と考えた。 旅行の経験が直接的に関わっているかは分からないけれど、日本で流行しはじめているもの、海外でもやれるもの、と考えていた時、フリマのような固定価格のCtoCサービスの可能性があると考えた。世界中の人がこれまで以上に増えれば、今のような(BtoCだけの)消費は終わる。そんなことを考えた」(山田氏)
すでに国内で競合サービスも複数あるが、メルカリがこだわったのは出品の手軽さ、多彩な支払い方法、安心な売買の3点だという。
出品の際は、価格のほか、配送料金の負担を出品者と購入者のどちらにつけるかといったこともプルダウンで選択して登録できる。「多くのユーザーにヒアリングしたが、フリマサービスの障害になっている理由の1つが『やりとり』。配送方法もあいまいにできるので、利便性もある一方で手間がかかる」(山田氏)。また、支払はクレジットカードのほか、コンビニ、銀行ATMでの支払いに対応。前述の「評価後に入金」という仕組みにより、支払の安全性も高めた。「(CtoCのコマースだと)詐欺が怖いという声も聞いたこともある。評価した後での入金なので、お互いを騙してどうこうするということはできないだろう」(山田氏)
ちなみに「メルカリ」というサービス名だが、これはラテン語で「商いする(mercari)」という意味なのだという。「『マーケット』という言葉の起源。このサービスが個人間取引のためのマーケットになって欲しいという意味をこめた」(山田氏)
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