日本クラウド証券は12月5日、貸付型クラウドファンディングサービス「クラウドバンク」を開始した。証券会社(第一種金融商品取引業者)が、貸付型クラウドファンディングに参入するのは国内では初めてだという。
クラウドバンクは、創業期で銀行の融資を受けられない優良なベンチャー企業や中小企業、経済成長率の高い東南アジアの企業などに資金を融資し、その金利を個人投資家に還元する貸付型クラウドファンディング。
個人投資家に対して銀行預金よりも有利な利回りを提供しながら、国内外の資金需要者の資金ニーズに応えることにより、社会にも貢献できるとしている。
ユーザーは、サービス利用時に開設する証券口座を通じて、クラウドバンクが提供する多種多様なテーマのファンドに投資することで資金需要者を応援できる。より幅広いユーザーが投資家として参加できるように、最低投資金額は3万円、投資期間は6カ月~1年未満の短期に設計しているという。
クラウドバンクでは、サービス開始にあわせて、資産運用と社会貢献の両立を目指したファンド「新興国マイクロファイナンスファンド」の提供を開始した。
マイクロファイナンスとは、新興国の貧しい人々に小口の融資を提供することで、彼らの自立をサポートし、貧困の削減という社会問題の解決に貢献することを目的とした金融サービス。
新興国マイクロファイナンスファンドでは、クラウドファンディングを通じて日本の個人投資家から集めた資金を、世界の貧困問題に取り組むマイクロファイナンス機関(MFI)に融資する。
貸出先は、マイクロファイナンスへの融資経験豊富なDeveloping World Marketsによる審査を通じて優良なMFIを厳選。また、複数のMFIに融資することでリスクの分散を図っている。
国内の定期預金や投資信託などよりも相対的に高い利回りで(税引き前予想利回り5%)運用できるとともに、東南アジアを中心とした新興国で暮らす貧困層の自立支援にもつながるという。
募集期間は11月25日~12月18日。運用期間は12月20日~2014年5月20日(存続期間5カ月)。配当日は2014年3月5日、償還日は2014年5月30日となっている。
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