短時間で消えるメッセージ交換アプリ「Snapchat」が、Facebookにとって目の上にできた厄介なこぶになっているようだ。
SnapchatがFacebookによる30億ドルでの買収提案を拒否してからまだ3週間にも満たないが、同社はこのほど、Facebook幹部であり、「Instagram」の広告表示を担当するEmily White氏を引き抜き、同社の最高執行責任者(COO)のポストに任命したという。AllThingsDが米国時間12月3日に報じた。
White氏は、Snapchatで統括リーダーを引き受ける提案を辞退することはできなかったと述べた。Snapchatは11月、1日あたりの写真アップロード件数がFacebookを上回ったことを明らかにしており、数十億ドルもの評価額を目指しているところだ。「私は常に、プロダクトに投入されてきた創造性に魅了されてきた(中略)そして、同社のアプリは既に、人々のモバイル体験について抱く考え方を大きく変えてきており、(CEOで共同創設者のEvan Spiegel氏は)そうした存在である同社を成長および拡大させていく上で力になれる人物を探していたのだと考えている」とWhite氏はAllThingsDに語っている。
White氏がInstagramチームに加わったのは比較的最近のことで、最高経営責任者(CEO)のKevin Systrom氏とともに同写真共有アプリの収益化に取り組むため、公式に統括リーダーを引き受けたのは4月のことだ。「LEXUS」の広告がユーザーから大きな反発を招くなど、Instagramの広告表示は多難なスタートを切った。だが、Systrom氏によると、White氏はInstagramによる広告事業を軌道に乗せることに貢献し、同社は有望なパートナー企業のリストを確保できたのだという。
買収関連のニュースや大規模な成長、そして今回のFacebookからの幹部引き抜きといい、Snapchatは現在まで順風満帆に進んできたが、そのスピードを妨げるものがないわけではない。SnapchatがこれまでのFacebookと同じような軌跡をたどる中で、CEOのEvan Spiegel氏は、Snapchatの3番目の共同創設者とされるReggie Brown氏によって提起された訴訟に悩まされている。Brown氏は2月、この訴訟で、Spiegel氏と仲間の共同創設者Bobby Murphy氏を相手取り、同社株式の3分の1を取得する権利を主張した。
さらに、Snapchatの企業イメージは決して輝かしいものとはいえない。Snapchatは次にはじける運命にあるシリコンバレーのバブルの申し子であり、度肝を抜く評価額と驚異的なユーザー基盤を得ている新興企業として評されてきたが、まだ1セントも収入を得ていない。しかし、White氏を獲得したことで、同社は収益化への道筋を見出したところなのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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