12月3〜4日に経営者向けの招待制イベント「Infinity Ventures Summit(IVS)2013 Fall Kyoto」が京都で開催されている。第1セッションにはZenDesk創業者でCEOのMikkel Svane氏が登壇。インフィニティベンチャーズLLP共同代表パートナーの田中章雄氏と共に同社のこれまでの軌跡について語った。
Zendeskはクラウドベースのカスタマーサポートサービス「Zendesk」を提供している企業。2007年にデンマークのコペンハーゲンで創業した。3人の共同創業者のうち2人はエンジニアで、Svane氏のみがビジネスサイドを担当してきた。
スカンジナビアはレゴをはじめとした玩具、アンデルセンの童話などが有名だが、スタートアップ、起業という文化などはまったくない国だとSvane氏は説明する。周囲からも「起業なんてばかげている」とずっと言われてきたという。
ただその時点ですでに明確だったのは「これまでのカスタマーサービスはつまらない、もっといい商品を作ろう」という思いだったという。「マーケットやトレンドは知らなかった。でも今ある商品は最悪と分かっていた」(Svane氏)。そしてコペンハーゲンのアパートで創業メンバー3人でZendeskを作り始めた。
当時を振り返ってSvane氏は「楽しいけど最悪」と語る。スタートアップは不確定な要素も多くお金は減るばかり。だが創業メンバーはサービスを開発し、米国への進出を検討する。「カリフォルニアは“テクノロジの土地”。そこで2008年に渡米し、ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達を進めた。
その際の苦労についてSvane氏は「英語も変で住所も聞いたことのないような会社が出資を受けるのは難しかった。ただ救いだったのは、TwitterやYammerなど、サンフランシスコでいろんな企業がZendeskを使っていたこと。VCの調査では、彼らから我々の信憑性を確認してもらえた」と振り返る。またVCとの関係性について、「結婚相手のようなもので人間関係は重要。出資を受けている以上、会社のことは丸ごと知られる。でもそれが互いの自信に繋がっていく」とした。
3人の創業者からスタートしたZendesk。今では社員数は500人。広く20カ国の国籍がいる。また顧客は3万社、2億人のユーザーを抱えている。同社のエージェントは25万人にも上る状況だ。日本でも東京に拠点を置きビジネスを展開している。
この成長の理由についてSvane氏は、当初あまりなかったカスタマーサービスの商品を作ったというだけで評価された、と振り返る。特にソーシャルメディア全盛の現在、ユーザーの声はより大きくなっている。クライアント企業に対して「こんなのサービス、会社は嫌だ」という声があがれば、すぐに広がり最終的にブランドの失墜を招く。「サービスを作ってからカスタマーエクスペリエンスの重要性には気付いている。この5年で業界はどう変わったか考えてほしい。まずニュースを知りたければTwitterを見る。今やみんながジャーナリストだ」(Svane氏)
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