楽天グループで電子書籍事業を展開するカナダのKoboは11月26日、電子書籍向けの7インチAndroidタブレット「Kobo Arc HD」の日本での販売を発表した。同日よりオンラインおよびビックカメラ、ヨドバシカメラにて予約を受け付ける。
Kobo Arc HDは、1920×1200ドット(323ppi)の高解像度ディスプレイを備えたAndroid端末。メモリは1Gバイト、プロセッサには1.7GHzのNvidia Tegra3 クアッドコアを採用する。130万画素(720p)のカメラを備えるほか、microUSBおよびmicroHMDIのポートを用意。バッテリ容量は4200mAhとなる。通信機能はIEEE 802.11b/g/nの無線LANとBluetooth 4.0、サイズは縦122mm×横194mm。価格は16Gバイト版が2万2800円、32Gバイトが2万7800円。
OSはAndroid4.2.2を搭載。楽天の各種サービスに直接アクセスできるウィジェット「楽天gateway」がプリインストールされるほか、電子書籍のメニューをスワイプ操作で表示できるなど、インターフェースは独自カスタマイズされている。しかしGoogle Playで各種アプリのダウンロードなど、機能面での制限はない。
同日開催された発表会で、楽天パッケージメディア事業・イーブックジャパン事業担当役員の舟木徹氏は「楽天市場などを利用してどんなメリットがあるのかが重要」と説明。Kobo Arc HD購入者に対して、1年間の期間限定で楽天市場と楽天ブックス、Koboでの買い物に対して楽天スーパーポイントを2倍で付与するとした。なおこのキャンペーンは楽天のIDにひも付いて実施されるため、Kobo Arc HD購入購入者がPCなどで楽天市場を利用した場合などでも付与されるポイントが2倍になるという。
舟木氏によると、Koboのコンテンツ数は現在18万冊。新規ユーザー数については公開しなかったが、2012年末の約3倍と説明。コンテンツの販売額も2012年末時点と比較して4倍になっているという。またスマートフォンアプリ版のKoboについても、「特にiOSで競合より評価が高い」(舟木氏)とした。
発表会の質疑応答では、「圧倒的にAmazon(が先行する)というのは偽らざる事実」(舟木氏)、と国内電子書籍の市場について説明。今回のAndroidタブレット提供、そして2014年に予定するPC版アプリの提供により、マルチプラットフォーム展開を強化して巻き返しを図る。今後は4~5年内での黒字化を目指す。
またKoboでは、Kobo Arc 7HDをハイエンド機と位置づけ、廉価版モデルのAndroidタブレット「Kobo Arc 7」も近日発売する予定。10月から予約を開始しているE-ink方式の端末「Kobo aura」についても12月上旬にも発売する予定。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」