サイバーエージェントがサービスを行っているスマートフォン向けソーシャルゲーム「ガールフレンド(仮)」がサービス開始から丸1年を経過した。
同社は2012年からスマートフォンへのシフトを掲げ、コミュニティサービス&ゲームプラットフォーム「Amebaスマホ」向けに、数々のサービスをリリース。1カ月で30億円の広告費を投じたことでも話題になったが、「ガールフレンド(仮)」もそのひとつに含まれていた。ちなみにタイトル名は、出会っていくたくさんの女の子がガールフレンド候補で、運命の女の子を捜し求め続けるという趣旨のもと、(仮)も含めて正式名称となっている。
ゲームシステムで言えば、カードの合成や育成を主としたソーシャルゲームのカードバトルタイプから大きく外れたものではなく、リリースされた時期を考えるとかなり後発であり、かわいい女の子のカードイラストを前面に押し出したものも決して少なくはなかった。だが「耳で萌える学園恋愛ゲーム」のキャッチコピーのもと、特徴である人気声優を多数起用したことをアピール。テレビCMやリアルイベントのほか、生配信番組やラジオ放送などのプロモーションも行ってユーザーに訴求していった。
会員数は11月時点で330万人を突破。10月に開示された2013年9月期通期決算説明会資料によると、月間のコイン(仮想通貨)消費額は14億を突破したと記載されており、Amebaスマホの他ゲームタイトルよりも飛び抜けた存在となっている。
さらに12月中旬からは女性向けソーシャルゲームとして「ボーイフレンド(仮)」のサービスを予定。「ガールフレンド(仮)」の特徴を踏襲し、人気男性声優を多数起用したタイトルとなっている。
今回、Amebaスマホのゲーム事業を統括するエグゼクティブプロデューサーの大辻純平氏に、改めて「ガールフレンド(仮)」がサービスされた経緯や1年の振り返り、そして「ボーイフレンド(仮)」やゲーム事業の今後について聞いた。
もともとAmebaのサービスは芸能人のブログを閲覧する方やアメーバピグの影響が強く、利用者は7割ぐらいが女性だったんです。Amebaスマホを展開する中でオープン化するというのもありますが、男性も女性も両方の方が利用しているプラットフォームを目指していくというのが、Amebaスマホのビジネス的な狙いとして根底にありました。
ゲームについてもこれまでは女性ユーザーを狙ったサービスを提供していましたが、コンテンツをフックにして男性ユーザーに利用してもらうよう、2年ぐらい前から男性向けのタイトルも作っていく方針があり、いくつか企画があったなかから、美少女を全面に押し出したタイトルを作ろうと決めたのが発端になります。
確かにそうです。差別化を考えていくなかで、カードだけど女の子が生きているような表現をしたいと思って、声を入れたら面白くなるんじゃないかと思ったんです。
かなりありました。「萌えガチャ」のほかにも、モバイル向けのサービスで「すき☆こえ」というのがあったんです。これは声優による音声コンテンツを販売するサービスでした。「萌えガチャ」に関してはダウンロード数もかなりあって、スマホ向けにキャラクターと音声を組み合わせたコンテンツの親和性の高さと需要を感じていました。
この2つを担当した者がプロジェクト立ち上げ時からスタッフとして加わっていますが、これらのサービスを通じて声優のみなさまとコネクションができたことが大きいのかなと。女の子のカードに声を付けるゲームサービスの実現性が高まったというのもありますし、いきなりだったらここまでの人気声優のみなさまを集められなかったかもしれません。企画初期段階でここまで参加していただけると思っていなかったですし。
プロジェクト発足のタイミングでは10人弱がいて、詳しかったのはさきほどの萌えガチャとすき☆こえを担当していた1人だけでした。なので声優に関することはその者に任せる形でした。現在はだいたい60人ぐらいのスタッフが関わっています。アニメや声優に詳しい人間も相応にいる感じですね。
何人か候補の方がいらっしゃったんですけど、ユーザーの心をつかみそうと思った直感ですね。
あくまで高校生なので、高校生活をおくっている日常のシチュエーションからは外してないです。でもユーザーの感情を高めてもらうには、ドキッとするようなシーンも入れないと、サービスとして緩急がなくなってしまうと感じています。
シチュエーションにはすごくこだわってます。どのカードでも、かならず自分(プレイヤー)が、そのシーンにいることを表現しています。例えるなら、女の子だけで温泉に入っているというようなシチュエーションのイラストはないように、自分がそのシチュエーションの中にいるという設定は大事にしています。
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