創業期の起業家を支援するインキュベーター、シードアクセラレーターがこの1、2年で増加してきた。彼らは、数百万円程度のシードマネーを提供し、イベントやメンタリングをはじめとした各種のプログラムを通じて、起業家にビジネスの知識や人的ネットワーク、開発環境、技術などを提供してきた。
数カ月に渡るプログラムの最後には、投資家や業界関係者、メディアらにその成果を発表するプレゼンテーションイベント「デモデイ」を開催。プログラムの成果を世に公開し、次の出資者を探す足がかりとしている。
この秋にも、NTTドコモ、Open Network Lab、MOVIDA JAPANなどが、次々にデモデイを開催している。参加企業にも傾向や特色のある各社のデモデイの様子をお伝えしていく。
2月に発表されたNTTドコモとNTTドコモ・ベンチャーズのインキュベーションプログラムである「ドコモ・イノベーションビレッジ」。プログラム参加者には、オフィスや開発環境、社内外のメンターによるメンタリング、NTTドコモが提供するAPIなどが提供される。また、開発助成金の名目で200万円のコンバーチブルノートによる資金提供がなされる。
国内のインキュベーションプログラムが通常3カ月なのに対し、同プログラムは5カ月と少し長めなことも特徴だ。第1期となった今回のプログラムには、6社が参加。9月末のデモデイに臨んだ。各社とそのサービスを紹介する。
DecoAlbumはスマートフォンで撮影した写真のデコレーションやコラージュと、アルバムでの整理を1つのアプリで実現する。デモデイの時点でダウンロード数は200万件。その7割は東南アジアのユーザーたどいう。
また、デモデイの直近に公開したDrawChatは、FacebookのメッセンジャーAPIを利用したメッセンジャーアプリ。手書きのイラストをスタンプのように送受信できるのが特徴となっている。今後は両アプリを中心にして、2014年内に1000万ダウンロードを目指す。
世界共通の言語である「笑い」で人々を元気にするというミッションを掲げる。同社ではこれまでいわゆる“ネタ系”のカメラアプリをリリースしており、ダウンロード数こそ多いものの、利用継続率が低かった。その課題を解決すべく提供したFUNPICTYは、いわばカメラアプリのプラットフォームだ。
マンガ風やホラー風など、各種の写真に加工できるカメラアプリと連携し、それぞれで撮影した写真をアップロードしてFUNPICTYという1つのアプリ上で閲覧できるようになっている。サービスはPCとAndroidで展開。アプリのダウンロード数は500万件、月間アクティブユーザーは30万人となっている。今後は他社のカメラアプリがFUNPICTYと連携するためのSDKを配布する。
フィーチャーフォンで言うところの“きせかえ”のように、ホーム画面を手軽にカスタマイズできるサービス。また、ホーム画面をメディア化できるため、ブランドやイベント等に向けてカスタマイズしたホーム画面のデザインを配信したり、クリエーターがホーム画面の販売するといったことも可能になるという。
今後はブランドやイベントなどのオフィシャルなホーム画面を提供することで収益化を図る。11月に開催される東京モーターショー2013でもサービスの導入が決まっている。
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