ディー・エヌ・エー(DeNA)は11月7日、2014年3月期第2四半期の決算を発表した。売上収益が476億円(前年同期比5%減)、営業利益は151億円(同26%減)、四半期利益は89億円(同7%減)となった。
国内では、既存の内製タイトルでのコイン消費額が減少。504億円(前四半期8%減)となった。特にブラウザで提供するカードゲームなどは落ち込みが大きい。今後はよりスケールしやすいタイトルの提供に注力するとしている。デバイス別の構成比では、すでにフィーチャーフォンの割合は約3割まで減少している。
DeNAでは前回の決算説明会で、年度内に内製および協業で60タイトルのゲームをリリースすると発表していた。現状のリリースは第2四半期で5本、第3四半期で6本の計11本と、当初比較で開発ペースは遅れている状況。ただし、第3四半期以降のタイトルリリースを加速し、年度内の目標については変更をしないとしている。
前四半期には米国での事業が単月黒字化達成なども発表されていたが、海外事業のコイン消費は約7500万ドルで前四半期比で減少。今後はユーザーベースを拡大できる大型タイトルの開発に注力する。
EC事業は前年同期比9%増で堅調に推移。10月29日にはかねてからの発表の通り、旅行予約サイト「スカイゲート」を「DeNAトラベル」に名称変更。これを契機にプロモーションも強化する。ショッピングモール事業では、日用品やコスメといった特定ジャンルを強化していくという。なお、ヤフーが10月にYahoo!ショッピングの無料化などをはじめとしたEC関連の施策を発表しているが、現段階で店舗獲得や取扱高において影響は出ていないとした。
また、少人数チームによる新規事業を立ち上げていくと説明。第3四半期以降、5~10件程度のサービスを提供する予定だという。その1つとして同日、仮想ライブサービス「Showroom」が発表された。加えてベンチャー投資推進室を新設。今後は投資や買収なども強化していく。
第3四半期の業績予測は、プロ野球がオフシーズンとなること、また国内Mobage事業の減少トレンドが続くことから、売上収益433億円(前年同期比17%減)、営業利益117億円(同41%減)、四半期利益76億円(同35%減)を見込む。
同日開催された決算説明会でDeNA代表取締役社兼CEOの守安功氏は、Mobageのコイン消費額減少のトレンドについて、「第3四半期で底を打ち、第4四半期以降は再拡大を目指す」という方針を説明した。
9月末にgloopsと共同で提供を開始した「ドラゴンエクリプス」については、10月時点で月間のコイン消費額1億円を達成したという。また、10月にメディア・ビジョンと提供する「マジック&カノン」についても、リリース当初で負荷やゲームバランスに問題が生じたもののユーザー評価は高いと説明。問題が改善され次第ユーザー拡大に向けた施策を展開するとした。「どれだけヒットさせられるか。減益トレンドを変えるタイトルを出したい」(守安氏)
守安氏は改めて自社の強みとして、「運用力の強さ」をアピール。「数字を見てイベントや仕組みを変えるところは、(ブラウザでも、)アプリでも変わらない」(守安氏)。しかしその一方で、運用力を発揮できるのがある程度のユーザー規模になってからだと説明。改めてヒットタイトルを生み出す必要性を語った。
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