アップルの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏は米議会に対し、性的指向や性同一性に基づく不利益を生じる職場の方針や慣行からの保護を目指す法案を通すよう求めている。
The Wall Street Journal(WSJ)のオンライン版に米国時間11月3日付で掲載された論説記事の中で、Cook氏は上院がEmployment Non-Discrimination Act(ENDA:雇用差別禁止法)を支持するよう強く求めるとともに、下院に対しては、この法案を投票にかけるよう求めている。
法案S. 815は、11月4日に上院で投票が行われる予定だと報じられていた。
ENDAは、すでに性別、人種、宗教、障害などの個人的特性を対象に米連邦政府が保証している採用および雇用上の保護を、同性愛者やトランスジェンダーの労働者に拡大しようとするものだ。
Cook氏は、「同性愛者の米国人が持つ職場での権利について法律が沈黙を保つ限り、われわれは国として実質的に彼らへの差別に同意していることになる」と述べている。
今回の法案は、労働者個人と雇用主の双方に利益をもたらすものだと、Cook氏は説明した。
われわれの見るところ、人々の個性を受け入れることは人間としての基本的な尊厳や公民権の問題だ。また、われわれのビジネスを後押しする創造性にとっても素晴らしいものであることが分かっている。人々は、ありのままの自分が評価されていると感じると、心地よく自信を持って人生で最高の仕事をすることが明らかになっている。
Cook氏はAppleの差別禁止方針について、同性愛者やバイセクシュアル、トランスジェンダーの従業員を保護することによって、すでに政府の政策より一歩進んでいると指摘した。
The Washington PostのThe Monkey CageブログでJeff Lax氏とJustin Phillips氏が述べたところによると、同種の法案が最後に上院で票決に付されたのは1996年で、この時は僅差(49対50)で否決されたが、今回、予想される共和党の議事妨害を防ぐには少なくとも60票が必要になるという。
Cook氏は3日の夜に、著名なオンラインメディアであるWSJで、上下院がENDAを支持するよう強く求めた。Barack Obama大統領も、The Huffington Postに次のような要請を寄せている。「立ち上がる議員が増えれば、われわれはこの種の差別に対し完全に終止符を打つことができる」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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