NTTぷららは10月21日、動画配信サービス「ひかりTV」の現状と今後の展開について事業説明会を開催した。会員数の推移や2013年度下期の取り組み、新サービスなどについて発表した。
NTTぷらら代表取締役社長の板東浩二氏は「2013年9月末時点で、会員数は263万会員。3月末から6カ月で18万会員増え、1カ月あたりの伸びは3万会員になっている。以前に比べて若干伸び率が落ちてきているが、これはNTT東西のフレッツ光純増数が落ちてきていることが原因。今後の課題は爆発的な伸びを見せるスマートフォンユーザーと既存のPCユーザーの取り込みと考えている」と、今後の施策について話した。
2013年度下期の取り組みとして挙げられたのは「クリエーター支援を通じたコンテンツ制作スキームの展開」「4K配信のVODトライアル」などのコンテンツ拡充と、「オフラインで利用可能なダウンロード視聴の提供」「新たなECの取り組み『かたろぐマーケット(仮称)』の提供」といったマルチデバイスの利用促進など、計10個の施策が発表された。
クリエーター支援を通じたコンテンツ制作スキームの展開は、ゲームクリエーター教育機関と提携し、学生が制作したコンテンツを、 ひかりTV全会員に無料で提供するというもの。第1弾としてゲームで実施し、人気作品の続編や新規制作にあたっては、ファンド運営会社「ミュージックセキュリティーズ」と協業し、クラウドファンディングにより本格商用化も実施する。すでにHAL大阪、HAL名古屋、HAL東京、日本電子専門学校など7校とパートナー契約を結んでいる。サービス開始は2014年1月を予定。今後は映像コンテンツや商品開発などへの展開も検討しているという。
注目の集まる4K配信は、2014年2月にVODトライアルを実施する予定だ。コンテンツは大田区の町工場が中心となって国産ボブスレーを開発する「下町ボブスレー」をオリジナルで制作。視聴するには専用チューナが必要で、視聴場所はNTTグループの主要展示場などを想定しているとのこと。H.265/60pで配信される。その後7月ごろには4K-IP放送のトライアルも予定している。
加えて、NHKが英語で提供している「NHKワールドTV」の24時間放送(11月4日開始予定)、初のオリジナルドラマ「24時間女優」(10月25日開始)など、新コンテンツも用意される。
一方、マルチデバイス化では、スマートフォンやタブレット向けのVODダウンロード視聴を開始する。ダウンロード視聴が可能になれば、自宅などで見たいコンテンツをダウンロードしておき、ネット環境のない場所でも番組を視聴することが可能。サービス開始は2014年1月を予定。すでに提供されている専用アプリ「ひかりTVどこでも」の追加サービスとして提供され、追加料金は不要。画質は標準、高画質、最高画質の3つから選択でき、最高画質は1280×720ピクセルを予定している。なおダウンロードコンテンツは、許諾が取れたもののみになり、開始当初は全体の70%程度のダウンロードを目標にしている。
新サービスとして登場する、かたろぐマーケット(仮称)は、ECの取り組みの一つとして提供されるもの。2013年内のスタートを見込んでおり、ウェブサイトから静止画、動画、テキストなどを入力することで、簡単にカタログを作成できることが特長だ。作成されたカタログはカタログアプリを通して提供され、ひかりTVショッピングを通じて購入ができる。出店料、手数料は現在検討中としている。
このほか、ホームネットワークを通じてAndroid OS搭載チューナ「ST-3200」からDLNA/DTCP-IP対応のテレビ、PC、タブレット、スマートフォンで放送チャンネルを視聴できるマルチデバイス展開(11月提供予定)、ひかりTVゲームのモバイル対応(11月提供開始予定)、NHKオンデマンドのマルチデバイス対応(10月28日から順次対応予定)なども予定されている。
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