KDDIは10月17日、アウトレット型のECサイト「LUXA(ルクサ)」を運営するルクサに、ベンチャーファンド「KDDI Open Innovation Fund」(KOIF)を通じて、3億3000万円を出資することを発表した。提携の第1弾として、ルクサが厳選した商品を「auスマートパス」の会員に特別価格で販売するページを開設する。ルクサは過去にジャフコが運営する投資ファンドから10億円を調達しており、今回の提携を含めると総額13億3000万円の増資が決定している。
LUXAは、2010年8月にオープンしたプレミアムアウトレット型のECサイト。グルメやコスメ、アパレルなどの商品を数量限定のタイムセールで販売している。“お得に贅沢体験”をコンセプトに、日本マイクロソフトの社食ツアーや、花火鑑賞クルーズへの無料招待などのユニークな商品も提供し、30代以上の高所得者を中心に利用されているという。
同社によれば、近年はスマートフォンユーザーが急増しており、2012年1月と比較すると、2013年9月のスマートフォン経由の売上比率が8%から35%へと増加し、売上高も11倍になっているという。ルクサ代表取締役会長の南壮一郎氏は、「auスマートパスのユーザーに、通勤時間や昼休みなどの“隙間時間”にスマートフォンからプレミアムアウトレットで買い物を楽しんでほしい」と提携への思いを語り、2016年12月末までに、現在45万人の会員数を350万人まで拡大させたいとした。
続いて、KDDI 新規事業統括本部 戦略推進部の江幡智広氏が登壇。同社では「KDDI ∞ Labo」や KOIFなどを立ち上げ、幅広いステージのベンチャー企業を支援している。今回ルクサに出資したKOIFは、ファンド設立から約1年半で17社(国内12社、海外5社)に出資した実績があるという。
江幡氏は「auショッピングモール」のスマートフォン経由での流通額が2011年から約2年で11倍に増えており、そのうちキャリア決済である「かんたん決済」の利用比率が約7割におよぶなど、モバイルEC領域が高い成長率を示していると説明。また、スマートフォンの普及によって、ソーシャルやキュレーション、定期購入など、買い物の方法も多様化していると語る。
そこで、同社はO2Oとソーシャルの要素をもつ「Origami」や、キュレーションと時間限定の要素を持つ「MONOCO」などのECサイトに出資。さらに、キュレーションECサイト「auおまかせショッピング」を自社で立ち上げるなどしてきた。「新しい体験にチャレンジしていく方々のビジネスにauのアセットを目一杯使っていただき、我々もそこに入りながら大きく成長していきたい」(江幡氏)。
今回のLUXAとの提携では、KDDIとして「時間限定」と「プレミアム」を掛け合わせたショッピング体験を提供できるようになる。具体的には、auスマートパスのタイムライン上に、「歌舞伎の舞台裏ツアー」など、ルクサが厳選したタイムセール商品を掲載していく。また今後は、auかんたん決済や、au ID、auポイントなど、KDDIのプラットフォームを活用して、LUXAのプレミアム商品を拡大するとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」