UPDATE サンフランシスコを拠点とする新興企業Ankiは、ロボット工学とコンシューマーレベルの人工知能(AI)を融合させたテクノロジプラットフォームを開発している。同社は米国時間10月16日、自社初となる製品としてレーシングゲーム「Anki Drive」を発表した。同製品の発売は10月23日に予定されている。
Anki Driveは、価格が200ドルで、Ankiのウェブサイトとともに米国およびカナダのApple Storeで提供される予定だ。Ankiが最初の注目を集めたのは6月で、Appleが同社Worldwide Developers Conference(WWDC)の基調講演でAnkiに製品紹介の機会を与えたときだ。
Anki Driveにおいてプレイヤーは、他のプレイヤーまたは同ゲームの人工知能システムが操作する車と競うことができる。Ankiの本社で行われたデモにおいて、同社最高経営責任者(CEO)のBoris Sofman氏は、人工知能が操作する車が他のプレイヤーが操作する車とどのようにリアルタイムでやり取りをするかを披露した。確かに人工知能が操作する車の反応時間は、他の車を攻撃する場合でも、攻撃をかわす場合でも短かった。これは、運転ロジックを毎秒500回チェックし、位置情報を車輪に2ミリ秒ごとに伝送する内蔵コンポーネントによるものだ。
Sofman氏にとって、Anki Driveは、物理レイヤを仮想レイヤの上に置く同プラットフォームの能力を証明するものだ。「われわれがAnkiで行っているのは、ロボット工学と人工知能を使って、これまでに行われていないことを行うことだ」と同氏は語る。「われわれは、現実世界における物理的特性の上にビデオゲームを実際にプログラムできる」(Sofman氏)
Ankiのプラットフォームが持つ最大の要素の1つに、ゲームプレイの全側面がソフトウェアによって定義されるということがある。Sofman氏の説明によると、これは、ゲームのルールから車同士のやり取り、そして、車のカスタマイズにいたるまで、時間とともにアップデートや拡張が可能であることを意味するという。
アップデートが多少難しくなっているものとしては、物理的なレーシングコースがある。だが、同コースは、Anki Driveの機能にとって重要だ。この3.5フィート(約1m)×8.5フィート(約2.5m)のコースには特殊なインクが使われ、光学的性質を持っており、車がその位置を常時確認できるようになっている。言い換えれば、これによって車は、プレイヤーによって操作されていても、システムの人工知能によって操作されていても安定しており、それは、このオーバルコースを高速で走行している時でも同様だ。
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