AppleとNokiaとの間で結ばれた特許ライセンス契約に関する情報を、サムスンが不適切に入手した可能性がある。Foss PatentsのFlorian Mueller氏が米国時間10月3日、2日にカリフォルニア州北部地区米連邦地方裁判所に提出された法廷書類を公開しており、この文書でそのことが示唆されている。
Appleは、係争中の対サムスン特許侵害訴訟でPaul Grewal判事が2日に出した命令に従い、サムスンの外部弁護士にNokiaとの特許ライセンス契約に関する機密書類を提出した。命令によると、この契約には機密保持と詳細を他者に開示しないことを求める通告が含まれていた。しかし、判事はサムスンの弁護士が同社のFTPサイト経由でこの書類にアクセスできるようにし、詳細をサムスンの幹部にメールしたとしている。
Grewal判事は、その後に起きたことを以下のようにまとめている。
現時点では、事態は不明確だ。Nokiaの知的財産最高責任者(CIPO)を務めるPaul Melin氏の供述によると、2013年6月4日、サムスンとNokiaのライセンス担当幹部間の会合で、Seungho Ahn博士はNokiaに対し、AppleとNokiaのライセンス契約条件を知っていると伝えた。Melin氏によると、、Ahn博士は具体的には、Appleがサムスンとの係争中にNokiaとライセンス契約を結び、サムスンの外部弁護士が当該ライセンス契約の条件を博士のチームに知らせたと語ったという。
Melin氏の説明によると、Ahn博士は当該ライセンス契約における機密扱いの条件を知っていることをNokiaに示すために、ライセンス条件を列挙し、「すべての情報が漏れている」とまで口にしたという。Melin氏はさらに、Ahn博士とサムスンがその後、ライセンス条件について博士が知っていることを利用し、AppleとNokiaのライセンス条件をサムスンとNokiaのライセンス条件にも適用すべきだと主張して、Nokiaとの交渉において不公正に優位を手に入れたと報告している。
Grewal判事は、これらの出来事が「起きた時の状況はこれとはかなり異なっていた」可能性があるとしながらも、さらに詳しい情報を求めている。サムスンの従業員が送受信したメールなどの文書を2週間以内に確認し、サムスンの幹部であるAhn博士に宣誓証言をさせる意向だ。判事によると、Ahn博士は前述のように、AppleとNokiaの契約について知ることができたかもしれないが、現時点では、宣誓証言のためにこの契約に関する情報を入手することは許されてないという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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