グランプリはフェイスライン測定器「face4D」--Kinect for Windows コンテスト

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 東京エレクトロンデバイスは9月19日、「Kinect for Windows コンテスト 2013」を開催した。日本マイクロソフトの「Kinect for Windows」の組み込み機器化の可能性を探ることを目的としたイベントで、今回で2度目の開催となる。当日は1次審査を通過した10組が作品のプレゼンテーションやデモンストレーションを披露し、実用性や革新性、操作性、将来性、完成度などを基準に採点が行われた。

 グランプリを受賞したのはfour-deeが開発したフェイスライン測定器「face4D」。Kinectの三次元計測能力を活用して、美容器具の利用前後におけるフェイスラインの違いをミリ単位で測定・数値化するというものだ。美容ビジネスであいまいとなりがちな「使用前・使用後」の違いを目に見える形で数値化することで、商品の効能を明確に示せるとともに、消費者にも納得感・安心感を与えられると評価された。

  • グランプリに輝いたfour-deeの岩瀬氏

 「エステや化粧品業界だけではなく、スポーツクラブや家庭内まで幅広く利用できるという将来性、また将来の普及が予想される3Dプリンタなどとの親和性も高い。現時点で課題はあるが、それらを解消し発展すれば素晴らしい製品になる」(審査委員)。受賞したfour-deeの岩瀬聡一郎氏は「他の発表で自分自身が驚かされたものがあったので、選ばれると思っていませんでした。嬉しいです」と喜びを語った。

 その他、アイデア賞には医療分野で手術での実用性が高い評価を受けた「Kinectを用いた腹腔鏡下手術支援システム2013」(三木大輔氏)、技術賞には操作性と完成度、応用力で会場を沸かせた「非接触バイタル・センシング(呼吸と心拍)」(上田智章氏)がそれぞれ選出されている。

Kinect開発者の考えを超えたアイデア

 アイデア賞、技術賞を受賞した2組を含め、1次審査を通過した10組中5組が医療分野関連となっているが、「すでにKinect開発者の考えを超えたアイデアの数々」(東京エレクトロンデバイス・栗木康幸社長)と評されたように、すべての作品がハイレベルなKinect活用法を示していた。

 技術賞を受賞した「非接触バイタル・センシング」は、Kinectの三次元計測とモーションをとらえる機能を活用し、センサーでとらえた人物の心拍数と脈拍を計測できる。対象者側に何ら機器を取り付けることなく観測できるという点において、遠隔地からの見守りや運転中のドライバー監視、また映画館や劇場などで観客の興奮度を図るなどさまざまな活用が期待できるとともに、会場からは「Kinectでそこまでできるのか」という驚きの声があがった。

 一方で、発表者の多くから「従来の3次元計測センサーと比べて安価である」という紹介があったことにも表れているとおり、Kinectを「低コストで高機能なセンサー」と位置付けた内容が多かった。審査員の感想でも「UI、UXの部分が練れていない印象」という声があがっており、Kinectが持つ優れたユーザーインターフェイス特性などについてはさほど活かされていない印象を受けた。

 Kinect最新版の登場を間近に控え、OSもWindows 8が加速的に普及している段階。ベースとなる技術が進化を続ける中、それらを応用するアイデアが一層問われる。少なくとも「来年はさらにハイレベルなコンテストに」(栗木氏)なることは間違いないだろう。

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