Appleがスマートフォン市場の先端であることを示すことは、iPhoneを選ぶユーザーを安心させる大切な材料と言える。ここ最近、プロセッサや全体のパフォーマンス、画面サイズでSamsung GALAXYシリーズに、カメラではNokiaのWindows PhoneであるLumiaシリーズに、カスタマイズ性でMotorolaのMoto Xにそれぞれ遅れをとっていた。
そこでAppleがiPhone 5sに搭載したのが、スマートフォンで初の64-bitプロセッサをうたう「A7」だ。処理性能やグラフィックスは、iPhone 5cにも搭載される既存のA6の2倍。初代iPhoneと比較するとグラフィックス性能は56倍にまで向上している。
デスクトップパソコンクラスの処理性能でグラフィカルなアプリケーションやゲームのパフォーマンスの向上が期待できるが、Appleの強みであるハードウェアとソフトウェアの一体提供のおかげで、「64-bit化を1日で済ませる」(プレゼン時のPhil Schiller上級副社長の言葉)ことができた。
パフォーマンスの追求で犠牲になるのはバッテリ消費だが、iPhone 5と同じ外装・同じ重さのiPhone 5sは、A7プロセッサを搭載しながら、バッテリ持続時間をわずかに延ばしている。新たに搭載されたモーションセンサ関連を司るM7も、効果を発揮しているだろう。
同じデザインながら、中身は全く別のものに進化させ、ソフトウェア面、バッテリ面も犠牲にしなかった点は、スマートフォンを使う一般ユーザーの体験を大切にしている証拠だろう。
A7を搭載することで、最も分かりやすく進化したのがカメラ機能だ。レンズや撮影センサも変更されているが、それ以上に多彩になったカメラの撮影メニューや画像補正だ。1秒間に10コマの連写の実現や、720pのビデオを4倍のフレーム数である120fpsで撮影する機能は、A7の処理速度向上の恩恵だ。
また、複数の写真から最もシャープな1枚を選択したり、複数の補正を同時に行ったりできるなど、結果的には最高の1枚を撮影することに集約される。また、ユーザーの目には触れないバックエンドの処理に最大限に活用しているあたり、「高速なプロセッサで何をするか」という点が追究されている。
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