長年に及ぶ交渉と憶測の末、Verizon Communicationsは、Vodafoneとの合弁企業Verizon WirelessのVodafone保有株式を1300億ドルで買い取ることで合意に達した。
今回の合意は、2000年のVodafoneによる1830億ドルでのMannesmann AG買収、2000年のAOLによる1640億ドルでのTime Warner買収に続く過去3番目の規模の企業買収となる。米国時間9月1日に発表された買収条件の下、Verizonは602億ドルを株式で、589億ドルを現金で支払い、Vodafoneが保有する45%のVerizon Wireless株式を取得する予定。
Verizonの最高経営責任者(CEO)を務めるLowell McAdam氏は声明で、「今回の取引によってプラットフォームにわたる価値が高まり、Verizonはより効率的に事業を運営できるようになるため、われわれは引き続き、顧客のためのよりシームレスで統合された製品やソリューションの構築に集中することができる」と述べた。「完全子会社化によって、企業および消費者向けの有線市場における機会が増大するとわれわれは考えている」(McAdam氏)
米国のワイヤレス市場はVodafoneにとって、苦戦する欧州での事業に対する重要な防衛手段だったが、同市場からの撤退はVodafoneにとって最良の選択だとアナリストらは述べている。
「売却時期については何年も前から憶測を呼んでいたが、賢明な時期に実現されたと考えられる」とCCS Insightのアナリストらは述べた。「Verizonの業績は引き続き好調だが、米国における最近の合併や買収の動きから、さらに強力な競合企業の出現が見込まれている。また、Verizonは数年前にVodafoneに対する配当の支払いを再開したが、今後の支払いは保証されていない」(CCS Insightアナリストら)
Verizonは何年も前から、Vodafoneが保有する45%のVerizon Wireless株式を買い取ることを検討してきた。Verizon Wirelessは米国第1位のワイヤレスプロバイダーで、Verizonにおいて最も成長が著しく、最も収益性に優れた部門である。しかしVodafoneは、この資産に対するさらに高い見返りを求めていたと報じられていた。
両社はこの数カ月間、Verizonによる支払額が1000億ドルを超える可能性のある買収について交渉していたようだが、交渉は行き詰っているようだった。2013年3月には、両社が非公式な話し合いを持ち、買収や合併の可能性についても話し合ったと報じられた。そして4月、Verizonは、1000億ドル規模のVodafone保有株式買い取りの取りまとめを銀行や法律顧問に依頼したと報じられた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)