米Bitcasaは8月28日、容量無制限のクラウドストレージサービス「Bitcasa Infinite Drive」(Bitcasa)を日本で提供開始した。10Gバイトまでは無料で利用でき、月額10ドルまたは年額99ドルを支払えば無制限に利用できる。支払い方法は、主要クレジッドカード、PayPal、iOSのアプリ決済となっており、今後はAndroidのアプリ決済にも対応する予定だ。
Bitcasaは、PCの外付けHDDのような感覚で、ローカルのファイルをクラウド上に保管できるストレージサービス。ソフトをインストールすると、デスクトップ上に「Dドライブ」として表示され、通常のHDDと同様の操作でファイルを移動するだけで、アップロードできる。また、ファイルをアップロードする前にすべて暗号化するため、安全なデータ管理を実現しているという。
アップロードしたファイルには、PC(Windows/Mac)やスマートフォン(iOS/Android)、ウェブサイトなどからアクセスできる。また、ローカルキャッシュ機能によって、リンクをクリックするだけで瞬時に大容量の音楽や動画をストリーム再生できる。
Bitcasaは、2011年に米国でサービスを開始した。ユーザー数は非公開としているが、世界160カ国以上で利用されており、現在は30ペタバイトを超えるユーザーデータを保管している。また、これまでに1150万ドルの資金を調達しており、サムスンや各OEMメーカーなどと提携しているという。
Bitcasa プロダクトディレクターのルーク・ベンキ氏は、電話やCDの音楽、DVDの映像などが、次々とストリーミングサービスへと移行している一方で、データ管理については、数十年間ハードウェアに依存する方法から変化していないと指摘。
また、一般世帯のデジタルコンテンツの保存量が、2016年までに現在の464Gバイトから3.3Tバイトまで増え、このうちの3分の1がクラウド上に保存されるようになるという、米調査会社ガートナーのデータを紹介し「ここに大きなチャンスがあり、Bitcasaはそのチャンスを獲得する準備ができた」と力を込めた。
ところで、Bitcasaはすでに日本でも利用できたが、なぜ改めて参入を発表したのか。ベンキ氏によれば、日本は米国に次いでユーザー数が多く、すべての有料ユーザーのうち約12%を日本が占めているのだという。そこで日本を重要な市場と位置づけ、東京にローカルキャッシュ機能を持ち、ファイルアップロードのスピードとストリーム機能を向上した上で、改めて参入の意思を示したと説明した。
現在は個人向けに提供しているBitcasaだが、今後は法人向けのチーム内共有機能や、開発APIの提供などを検討しているという。
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