クラウドファンディングによる「Ubuntu Edge」の資金調達について、ここ数日、Canonicalが目標金額を達成できないことを疑う余地は大してなくなっていたが、とうとう正式に明らかになった。Ubuntu Edgeが今後リリースされることはない。
Canonicalは、「Ubuntu」と「Android」を搭載してPCとしても使えるスマートフォンUbuntu Edgeの開発および製造資金としてIndiegogoで1280万ドルを調達したが、目標額の3200万ドルにははるかに及ばなかった。潤沢な資金を持つ救済者も現れなかったので、このプロジェクトは打ち切りとなった。だが、Canonicalの最高経営責任者(CEO)Mark Shuttleworth氏は、これを失敗とは見なしていない。
Canonicalの創設者でもあるShuttleworth氏は、次のように述べている。「新しい独創的なデバイスの開発を目指した当社の大胆なキャンペーンは、最終的に目標を達成できなかったが、得られたものも多い」
「Edgeは、世界史上最大のクラウドファンディングキャンペーンとなった。これがどれほどの偉業であるかを見失わないでほしい。2万人近い人々が、実現の後押しをするために、何カ月も前からスマートフォンに対して数百ドル提供するほど、当社のビジョンを信じてくれた。提供してくれたのは個人だけではない。Bloomberg LPは8万ドルを提供し、これより規模の小さい企業も、数社が7000ドルずつ提供してくれた」(Shuttleworth氏)
Shuttleworth氏はさらに、次のように確信している。「このキャンペーンの大きな勝者はUbuntuだ。スマートフォン用のUbuntuを披露するためにEdgeを開発したいと強く望んだが、Edgeに向けられた支援と注目は、他のUbuntu搭載スマートフォンが2014年にリリースされ始める時に、大きな力となるだろう。何千人もの人々が、Ubuntu搭載スマートフォンを所有したいと明確に望み、テクノロジの融合という当社のビジョンを信じてくれた。そうでない人たちも、こうした人々があまり待たずに済むことを請け合ってくれた」
「Edgeに向けられた支援と注目は、当社と大手メーカー数社との話し合いの原動力となっている。世界最大手のモバイルネットワークの多くがすでに、UbuntuのモバイルOSに関するキャリア向け協議会Carrier Advisory Group(CAG)に参加した。これらの企業は今後も、Ubuntuに関するこの世界的な議論と革新の必要性を間近で見守り続ける」(Shuttleworth氏)
最後に大事なことを書いておくと、Ubuntu Edgeを「購入」した顧客に対しては、「5営業日以内にすべての返金手続きが行われるとPaypalが保証してくれた」とShuttleworth氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス