テスラCEOのE・マスク氏、「Hyperloop」を発表--時速約1220kmの新輸送システム

Nick Statt (CNET News) 翻訳校正: 編集部2013年08月13日 11時34分

 TeslaとSpaceXの最高経営責任者(CEO)であるElon Musk氏は米国時間8月12日の電話会見において、サンフランシスコとロサンゼルスを30分で結ぶ乗客輸送システム「Hyperloop」システムの今後の具体的な予定を示すとともに、高速鉄道を批判した。同氏はこれに先立ち、Hyperloopの概念を実証する発表を行っていた。

 明確な予定を求められたMusk氏は、提案した最初のHyperloopシステムは7~10年で実現する可能性が高いと述べた。

 しかし、実現までの道のりは長い。最初のステップはデモ用試作機だ。そして、Musk氏は、時速760マイル(約1220km)の磁気浮上交通システム実現までの道のりを単独で進みたくない、と断固主張している。「ほかの誰かが立候補してデモを行ってくれたら本当にありがたい。誰かにそうしてほしい」(同氏)

 もし誰も名乗りを上げなければ、自分でデモ用試作機を作るつもりだが、SpaceXとTeslaでの職務を考えると、それには3~4年以上必要だ、とMusk氏は述べた。もしHyperloopだけに注力するのなら1~2年もあれば十分だという。

 Musk氏はHyperloopのコストに関する具体的な詳細も示し、提案したサンフランシスコとロサンゼルスを結ぶシステムの総コストは約60億ドルになると見積もった。これは、提案されているカリフォルニア州高速鉄道プロジェクト(California High-Speed Rail Project)の10分の1以下だ。

 Musk氏は、「高速鉄道プロジェクトは実施すべきではないと私は考えている」と述べ、高速鉄道は不必要な建設、許認可、および法的コストで納税者に負担をかけるとして、同プロジェクトをあっさり切り捨てた。「おそらくコストは1000億ドルを超えると思う。飛行機ほど利用したいものにはならないだろう」

 高速鉄道で問題なのは、水平な進路を維持する必要があり、それには高さが変わる地点で列車の重量を支えるために巨大な建造物を構築する必要があるということだ。当然、建設用地の賃借にも多額の費用が必要だ。一方、Hyperloopは極めて軽量になるように設計されているため、支柱の上に載せることができる。「列車は驚くほど重いが、Hyperloopは列車というよりも、むしろ航空機のように設計されている」(Musk氏)


提供:SpaceX

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]