試聴へと進もう。ここでは筆者手持ちのスマートフォンXperiaZを使用する。楽曲は、各ジャンルともに2013年のフジロックフェスティバルに出演したアーティスト関連をチョイス。音質調整やイコライザなどは変えずに、オーディオコーデックはAACの256kbpsで聴いてみた。
ロックから、Tahiti80「Heartbeat」を聴く。小気味良いギターのカッティング音、爽やかなボーカルも明瞭に聴ける。想像以上にベースラインが立ち上がってくるので少し抑えたいくらいだが、ライブ感はあるので悪くない。
ヒップホップから、Jurassic5「Back 4 U」を聴く。クラブにいるような低音の鳴りとそのビートに重なるリリックが気持ちいい。自然に体を揺らしてしまうのは、コンパクトボディとは思えぬ圧倒的な低域再現力によるものだ。
エレクトロから、Modeselektor「Black Block」を聴く。圧倒的な低音のシャワーが体に降り注ぐイメージ。空間も広がっていきながら、細やかな表現も逃さない。ヒップホップ同様、低域に迫力があり得意なジャンルと言える。
女性ボーカルものから、Aimee Mann「Save Me」を聴く。低域が効きすぎているせいか全体的に奥まった印象。ただボーカルは前面に出てくる。曲の雰囲気は壊さない程度にベースやドラムも強調され、好みが分かれそうだ。
なお、試聴場所によって音が左右される。取扱説明書に設置場所のヒントが掲載されているので参考にしたい。大まかな注意点をまとめると、指向性があるためスピーカを自分の方へ向けておくこと、低域のパワフルさを増すには垂直な壁から10cmくらいの場所に配置すること、そして後ろに空間のないスペースに置かないようにすることなどだ。ほかに気付いた点として、再生する際は本体ボリュームを思った以上に大きくする必要がある。これは、スピーカーからいきなり大きな音が出ないようにする配慮と考えられる。
試聴した印象としては、手のひらサイズのコンパクトボディでありながら、同社らしい豊かな低音、奥行きのあるサウンドを存分に体感できる期待通りの結果となった。音楽以外にも、「パズル&ドラゴンズ」などのスマートフォン向けゲームやYouTubeの動画で試したが、画面サイズ以上の臨場感で味わえるためかなり楽しい。自宅の机やテーブルでもズンズンと鳴り、力強い低音サウンドからくる振動も心地いい。ただし、床などへの直置きは響くので、マンションやアパートなどで使用する際は注意が必要。また、音量レベルによっては低音が効きすぎるのでバランスを調整して聴くことをおすすめする。
いずれにしても、この小ささでこの迫力、しかもワイヤレスで定評の高いボーズサウンドが楽しめる。この夏、間違いなく一押しの逸品である。
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