米新興企業Crossbar、フラッシュメモリの後継技術を発表

Robin Harris (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2013年08月06日 14時54分

 米カリフォルニアの新興企業Crossbarは米国時間8月5日、抵抗変化型メモリ、すなわちReRAM製品を発表した。同社の不揮発性メモリ技術により、いくつかの技術的進歩がもたらされることが期待されている。

  • 単一チップ上に最大1テラバイトのストレージを実装
  • シンプルな3Dスタッキング構造で数テラバイトのストレージに対応
  • 超低電力によるバッテリ持続時間の改善
  • 対NANDフラッシュ比20倍の高速書き込み
  • CMOS製造プロセスとの互換性により、低コスト製造が可能
  • 現行フラッシュメモリの半分のダイサイズ

 最も重要な点は、そのシンプルな電気的構造にある。同ReRAM製品は、上部電極、スイッチング媒体、下部電極の3層構造で、シリコンをベースとした材料が使われている。

 極間に電圧を印加することで両極間にフィラメントが形成され、ここにデータが保持される仕組みになっている。フィラメントは10ナノメートル級の微細構造で、形状の収縮に合わせて大きさを調整することが可能だ。Crossbarでは、各セルにつき、摂氏125度未満かつ1万回未満の書き込みサイクルで10年間のデータ保持性能があるとしている。

 1万回という数字はさほど大きな数に聞こえないかもしれないが、これは現行のマルチレベルセルフラッシュにおける書き込み性能の10倍だ。フラッシュ分野で十分に解明されている長寿命化技術を利用することで、実効速度での寿命はその10倍超になる。

 さらに優れているのは、ReRAMの書き込み速度がフラッシュメモリの20倍だということだ。これにより、現行のフラッシュコントローラが抱える多くの問題が解消される。また、フラッシュコントローラのコストも大幅に削減されるはずだ。

 Crossbarは、最大級かつ最も成功を収めたベンチャーキャピタル企業の1つ、Kleiner Perkinsの支援を受けており、ミシガン大学で開発された技術を使用している。同社ReRAMはCMOS互換であることから、まずはシステムオンチップ(SoC)や組み込み機器での使用を目的としたCMOS製造工場へのライセンス提供によって、市場に投入される予定だ。

 組み込み機器には、スマートフォン、タブレットといった消費者向け端末や産業用デバイスが含まれる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]