グーグルは7月31日、コンテンツマーケット「Google Play」に関する説明会を開催した。同日はGoogle Play エンジニアリングディレクターのクリス・ヤーガ氏が、Androidアプリの利用状況やアプリ開発者へのサポート環境などについて語った。
ヤーガ氏によれば、現在全世界で約9億台のAndroid端末が利用されている。また、Google Playには100万を超えるアプリ(有料・無料)が登録されており、世界190カ国でのダウンロード総数は500億回を超えるという。
グーグルが目指しているのは「ユーザーやアプリ開発者にとってすばらしいエコシステムを作り上げること」とヤーガ氏は語る。そのため同社では、アプリ開発のためのSDK(ソフトウェア開発キット)や、アプリ配信後の効果測定ツール、収益化にむけたアプリ内課金機能など、トータルに開発者を支援する環境を提供していると説明する。
また、Google Playの売上のうち67%が米国外の国によるもので、7月末時点で「すでに2012年トータルで(アプリ開発者に)支払った金額を上回るペース」(ヤーガ氏)で勢いが増しているという。アプリ開発者1人あたりの売上も2012年より2.5倍に増えているとした。
ヤーガ氏は「日本の売上は世界のトップ5に入っている」と語り、世界的にも日本を重要な市場に位置づけていると説明。国内でのアプリビジネスの成功企業として、スクウェア・エニックスやカプコン、バンダイナムコゲームス、セガ、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(ガンホー)、コロプラなどを紹介した。
また日本ならではの特徴として“キャリア決済の利用率の高さ”を挙げる。同氏によると、Google Playがキャリア決済に対応してから日本と韓国での売上高が14倍に増加したのだという。さらに、売上上位の24アプリのうち23アプリがアプリ内課金を利用していると説明した。
同日は、人気ゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」を提供するガンホーでパズドラスタジオ プロデューサーを務める山本大介氏がゲストとして登場。パズドラの売上動向などを紹介した。
パズドラは2012年2月にiOS版を先行公開し、同年9月にAndroid版を公開した。そのため当初はiOS版の方がMAU(月間アクティブユーザー数)が高かったが、6月時点ではほぼ均衡しているという。また、遅れてリリースされたAndroid版の方がユーザー課金率が高いこともあり、売上高も5月にAndroid版がiOS版を抜いたという。さらに、韓国や北米など海外でも売上は拡大傾向にあるとした。
Google Playにおける安心安全に向けた取り組みについても語られた。最近では、Android向けの偽セキュリティ対策アプリで電話帳データ3700万件を不正に抜き取り、出会い系サイトの広告メールを送っていた企業の社長が逮捕される事件も起きたばかりだ。
ヤーガ氏は、Androidではアプリをインストールする際に、電話帳や位置情報など端末内のどの情報にアクセスするかを明示し、ユーザーが合意しないとアクセスできない仕組みを採用していると説明。また、すべてのアプリをスキャンし、同社のプライバシーポリシーに反しているアプリは除外していると語った。
「私どもが最善のアプローチとして考えているのは、ユーザーにフルの状態で情報を提供し、開示された情報に基づいてユーザーが決定を下すことだと思っている。また、各アプリにはレビューが寄せられている。アプリについて否定的なレビューが載っていれば、ユーザーも危険だと判断する」(ヤーガ氏)。
“第3のモバイルOS”として注目を集める「Firefox OS」や「Tizen」の登場によって、Androidアプリ開発者が他のOSにも目を向け始めるのではないかという質問もあがった。これについてヤーガ氏は、グーグルとして長い時間をかけてアプリ開発者が収益を得られるエコシステムを構築してきたと説明。開発者はこれからも「最も(収益で)リターンのあるところにリソースを投入するだろう」と自信をみせた。
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