ソフトバンクは7月30日、2014年3月期1四半期(4~6月期)の連結業績を発表した。
7月29日、UQコミュニケーションズ(UQ)に2.5GHz帯(2625~2650MHz)の周波数の追加割り当てが決まったことを受けて、行政訴訟するとの姿勢を見せていたソフトバンク。質疑応答の中で、総務省に対する行政訴訟についてゴールをどう考えているかを聞かれ、ソフトバンク代表の孫正義氏は、「行政訴訟するかどうかの最終決断はまだ行っていない」との見解を示した。
孫氏は、「それ(行政訴訟)をせねばいけないと思うぐらい、非常に納得がいっていないということ」と憤る。
同周波数帯は、KDDIグループのUQとソフトバンクグループのWireless City Planning(WCP)が割り当てを求めており、この2社の一騎打ちとなっていた。ソフトバンクは、認定の延期と公開ヒヤリングを含む直接的な情報公開請求を行っており、行政訴訟を検討していることを明かにしていた。
「3社がイコールフッティング(同等な条件)になった後はオークションでも場合によってはいいと持論で思っている。イコールフッティングになっていない段階でいきなりオークションはいかがなものかと思っていたが、こんなアンフェアな割り振りがなされるぐらいなら、今後はまだオークションのほうがマシ」(孫氏)
納得がいかないと憤りつつも、「法的措置をとると、後々またいっぱい意地悪されるな、ということを悩みながら寝苦しい日を送っている」とも打ち明ける。
「わかるでしょう?実態として、行政訴訟するのは簡単。一度やったら、その後は出入り禁止になった。アポを申し込んでも一切通らないという状況に何年もなった。我々の事業の活動に大変な支障が起きた。今回、それをやるとまた同じようにアポもとれない。さまざまな意地悪をされることが想定される。行政訴訟すべきかどうかをギリギリまで悩んでいるのが正直なところ」(孫氏)
透明性を求める理由について、「今後もまた同じように、われわれから見れば不当だと思えるようなプロセスで割り振られると大変に困る。それはソフトバンクの経営だけでなく、われわれには4200万人のユーザーがいる。ソフトバンクを信じて入ってくれた日本国民のユーザーに対して、窮屈な電波でそのサービスを行っていくことに対して、なにもモノを申さないで黙ってやり過ごすというのは、申し訳が立たないということで声を大にしている」と説明した。
孫氏は、これまでの会見の中で、KDDIおよびUQの役員の具体名を挙げて、記者らにそのプロフィールを配布し「KDDIには総務省から続々と天下りがある」と指摘していた。
「だからといって、大人になりなさい。天下りを受けたらいんじゃないですか、という意見にも賛同しかねる。2つの会社が両社ともにいわゆる天下りを経営幹部の中に入れているが、われわれは一切してこなかった。もしかするとそれが仇になったのではないかと勝手に思い悩んでいる。そうはしても、正義は貫きたい。せめて公開討論をし、透明性のあるプロセスで割り振りがなされてほしいと願っている」とした。
なお、KDDI側は7月30日に行われた決算発表の中で「関係ない」と反論している。
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