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ちぎれた海底ケーブルはどう直す--保守船「KDDIオーシャンリンク」の役割とは - (page 2)

エースラッシュ2013年07月24日 17時36分
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ケーブル損傷原因の多くは漁具

 海底ケーブルが損傷する理由の多くは、漁具による損傷だという。船のアンカーにひっかけられた、底引き網に引きずられた──というような例だ。そのほかに、海底地滑りによって引きちぎられる場合や岩などに長期的に擦れて損傷することもある。

  • ケーブルを損傷させたアンカー

  • 漁具等で損傷したケーブル

  • 海底の地滑りでちぎれたケーブル

 保守船は問題のあるケーブルを海底から引き上げ、破損箇所を切断して新たなケーブルをつなぎ合わせて海底に敷設し直す。深海でのケーブル発見、切断、引き上げ、埋設等を担当するのがMARCAS-IVだ。

  • 水中ロボット「MARCAS-IV」

  • 「MARCAS-IV」操作室では、本体の操作とマニピュレーター操作の2人が作業を行う

  • ケーブル敷設の指令所。水深を計測してちょうどよいケーブルの繰り出しを計算しているという

  • 複数の光ファイバを船上でコアがずれないように接続

 接続作業は海底とケーブルでつながったまま行うことになり、海上で10m程度の風がある状態での作業が限界だという。それ以上に海が荒れている場合や、ケーブルの長さが足りない場合等にはケーブルの端とブイをロープでつなぎ、海上に浮かべた状態で次の作業機会を待つ。

  • 接続した部分はポリエチレンで満たされた専用カバーで覆う

  • 作業を中断する場合に使うブイ

  • ケーブルを引き込んで作業する「作業甲板」は船内にあるのに柱のない構造だ

  • ケーブル障害の多発地域

 現場への移動は近い場所で半日、遠い場所で2.5~3日。保守作業は水深によって5~10日程度。1度の出動で約2週間程度かかるという。横浜エリアは特に中国近海や台湾沖で損傷事故が多く、世界でも3本の指に入るケーブル障害多発海域。1年で10回程度の出動があるそうだ。

  • 東日本大震災時に損傷したケーブル

 東日本大震災時には多くの海底ケーブルが被災したため、何度か物資補給のために寄港しながら作業を続行した結果、3カ月ほど作業をし続けることになったという。

運行を支えるのはMOLケーブルシップ

  • 操舵室で「DPS」の解説を行うキャプテン

 ケーブルの保守作業自体を行っているのは国際ケーブル・シップの社員だが、保守船の運航等を担当しているのは三井商船グループのMOLケーブルシップだ。28名のフィリピン乗組員とキャプテン以下7名の日本人船員が4カ月~6カ月、船に居住して待機しているという。

 保守作業を行うためには船を一定の位置に保つ必要があり、最新のシステムが数多く搭載されているという。「DPS(定点保持装置)」がその代表だ。2つの舵、メインプロペラ2つ、横移動をするサイドスラスター3つを組み合わせて位置を保つのだが、ジョイスティックを使ったマニュアル操作のほかに、自動制御をするオートポジショニング機能、敷設するケーブルの設定ラインに合わせた運行機能なども搭載しているという。また「MARCAS-IV」の動きに合わせて船体を移動させることも可能だ。

 通常の運行時は操舵室で操船を担当するのは2名程度だが、ケーブル保守の人員を含めて50名ほどが乗り込んで出航するそうだ。

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