パズドラ・ショックが開いた扉、日本から世界へ--米Pocket Gemsの取り組み

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 米国サンフランシスコにオフィスを構えるモバイルゲーム企業、Pocket Gemsは、GMOゲームセンターのモバイルゲームタイトル「幻想のミネルバナイツ」を、2013年夏、北米・欧州・アジアのマーケット向けに「Legend of Minerva」としてiOS版を配信する。

 同タイトルは既に日本向けの市場でGoogle Playの売上トップ20にランクインし、30万人のユーザーを集めるヒット作となっており、GMOゲームセンターが「G-Gee」ブランドでAndroid向けに海外展開も行っている。iOS版をPocket Gemsとの協業でリリースする事により、海外でのより大きな成功を収めようとしている。

 北米や欧州市場での展開を行うPocket Gemsは、こうした日本の人気タイトルに対して熱い視線を向けている。7月26日にはJETROが主催する東京のセミナーで、さらに多くの開発者と関係を作る予定だ。

 Pocket Gemsのオフィスを訪問し、海外ゲーム担当のJameel Khalfan氏と、モバイルコンサルタントのAudrey Nakao氏に話を聞いた。

パズドラ・ショックが開いた扉、日本ゲームの魅力

Pocket GemsのJameel Khalfan氏
Pocket GemsのJameel Khalfan氏

 米国のAppleやGoogleが世界中のモバイル市場を席巻している中でも、日本はモバイル大国として、面白いアイディアの観察対象だ。また先進国市場の中では規模も大きいことから、成功したい場所にもなっている。サンフランシスコで出会うモバイル企業の創業者たちが東京に行きたがっている理由は、単においしい食事のためだけではないのだ。

 モバイルゲームは米国ではブラウザやプラットホームを重視するスタイルから、既にアプリ型へ移行しており、ガンホーの「パズル&ドラゴンズ」のヒットは、大きなインパクトとともに海を越えて西海岸にも届いている。Khalfan氏は、「P&Dはショックと一つの転機となった」とその衝撃を語る。ちなみに、日本では「パズドラ」と略されるが、英語版では「P&D」と呼ばれている。

 今回同社が展開する「幻想のミネルバナイツ」もパズドラと同じカードバトル型ゲームに分類されるが、Khalfan氏はこうしたスタイルのゲームは米国にはあまり例がないと語る。その上で、日本のゲームを次のように評価している。

 「今回の幻想のミネルバナイツは、グラフィックスが素晴らしく、これらをタッチで操作できる点がとても魅力的です。また、ストーリーも分かりやすく、そのまま米国などの市場のユーザーにも受け入れてもらえるでしょう」(Khalfan氏)

 米国とは異なるアートスタイルとストーリー、ゲームのスタイルが評価されている。こうしたオリジナリティを大切にしながら、Pocket Gemsは、モバイルゲームの海外展開を狙う開発者のパートナーになろうとしている。

Pocket Gemsのパブリッシング事業

 Pocket Gemsは2009年に設立されたモバイルゲーム企業だ。同社はゲームプラットホーム化を追いかけようとせず、アプリ型で無料でスタートできるアイテム課金型のゲームを展開しており、これまでに25タイトル、1億2000万の総ダウンロードを記録している。配信先はApple App Store、Google Play、Amazon App Storeだ。自社のゲームも含めて非常に慎重にセレクトし、ていねいにマーケティングを行うスタイルでビジネスを拡大させてきた。

 2012年にPocket Gemsはパブリッシング部門を設立した。同部門は、独立系あるいは米国外のデベロッパーのゲームタイトルをPocket Gemsがマーケティングを行って無料ゲームとして配信をし、開発者とPocket Gemsでアイテム課金の利益を分け合うモデルを取っている。Pocket Gemsは素早く面白いゲームをラインアップに揃えることができ、開発者は作品をヒットにより近づけることができるようになる。

 日本のカードバトルゲームも、無料で遊び始められるが、アイテム課金が非常に活発に動くことはパズドラ以前から注目していたという。Pocket Gemsのアイテム課金を最大化する戦略と日本のタイトルは非常に相性がよいといえる。

 今回の「幻想のミネルバナイツ」は、パブリッシング事業で6タイトル目のゲームとなる。同ゲームを配信するGMOゲームセンターはG-Geeとして既に海外での配信も行っているが、より専門的なマーケティングを施し、iOS版での成功を狙っている。

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